5月13日、中国の半導体受託生産(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は2021年1~3月期の決算を発表した。それによれば、売上高は前年同期比13.9%増の72億9200万元(約1237億円)、純利益は前年同期の約2.4倍の10億3200万元(約175億円)だった。
売上高総利益率は、前四半期の2020年10~12月期から5.5ポイント上昇し27%になった。SMICは2月初旬に発表した決算報告書で2021年1~3月期の売上高総利益率を17~19%と予想していたが、それを上回った格好だ。
5月14日午前に開催された同社の決算説明会で、CFO(最高財務責任者)の高永崗氏は「半導体市場の需給ギャップが拡大するなかで、製品単価を合理的な水準に引き上げた結果、当初予想を上回る収益の増加がもたらされた」と語った。
1~3月期を通じて、SMICの生産ラインの稼働率は98.7%とほぼフル操業の状態が続いていた。共同CEO(最高経営責任者)の趙海軍氏は決算説明会で、同社の40nm(ナノメートル)、150nm~180nmプロセスの生産能力がそうとう逼迫している状況にあると述べた。
地域別の売り上げ構成も変化している
2020年1~3月期と比較して、SMICの2021年1~3月期の地域別の売り上げ構成も大幅に変化している。中国(香港を含む)の比率が61.6%から55.6%に低下した一方で、ヨーロッパおよびその他アジアは12.9%から16.7%に上昇し、北米の比率も25.5%から27.7%に高まった。
その背景には、SMICの大口顧客の1社だった中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)がアメリカ政府の制裁対象となったため、2020年9月15日以降、SMICに対してチップ製造を委託できなくなった影響がある。 このため2020年10~12月期から、SMICの中国向け売り上げは目に見えて減少した。
2020年12月18日には、SMIC自身もアメリカ商務省のエンティティー・リスト(訳注:アメリカの安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業等のリスト)に指定された。これにより、設備や原材料のサプライヤーはアメリカ政府の承認を得なければ、SMICに製品を供給できなくなった。趙氏は「わが社はサプライヤーと協力し、法令を順守して設備の調達を続けている」と語ったが、今もなお不透明な部分は残っている。
(財新記者:屈慧)
※原文の配信は5月14日
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