世界に逆行!音楽CDが売れる「K-POP」の驚く進化 人気のBTS、BLACKPINKも含めて見られる方向性
判型・仕様・素材・封入物なんでもあり
近年アナログレコードやカセットテープを購入する若者が増えているが、その「アナログ回帰」とは異なる方向でK-POPのCDはニーズを発掘している。その秘密の鍵を握るのは、独自のプロダクト性だ。私がデザイナーとして韓国に渡ったきっかけは、K-POPのCDデザインの美しさだった。
友人からシェアされたWonder GirlsやSE7ENのMVを見て、「あれ、思ってた『韓流』のイメージと違うかも?」とぼんやり気づき始めていたところに、新大久保で出会ったK-POPグループの多彩な形状のCDに完全にビビッときて、そこからのめり込むようにデザイナーやアートディレクターを調べるようになったのだった。
単にデザインがかっこよかったから、というのもあるが、miss A『Bad but Good』(2010年)の規格外の三角形のCDや、SUPER JUNIOR『Mr.Simple』(2011年)の30センチ四方の巨大なCD、さらにはBIGBANG『ALIVE』(2012年)の、タイトル通りにだんだん錆びていく鉄の容器など、日本ではまず見たことがないようなパッケージには韓国人クリエイターのデザインに対する探求心が見事に詰め込まれていた。
それらの大半が輸入盤で2000円以下で買えるにもかかわらず(韓国では1200~1400円)、ほとんどのCDには歌詞カードに加えて分厚いブックレットが当たり前に付いているのも、これまで自分が知っているCDとはまったく違っていた。
K-POP黎明期の2005年からBIGBANGやBLACKPINKを輩出したYGエンターテインメントでデザインを担当していたアートディレクターのGDSTさんによると、K-POPのCDパッケージがこれほどまでに多様化したのは、わずかここ10年ほどの話だという。
1990年代〜2000年代後半までの韓国のCDを見ると、日本でも定型の、正方形のプラスチックケースの前面に歌詞カードを入れて、その向かいにCDが収まった形態だったことがわかる。
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