世界に逆行!音楽CDが売れる「K-POP」の驚く進化 人気のBTS、BLACKPINKも含めて見られる方向性

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韓国ではなぜ音楽CDが世界に逆行して売れているのか。その事情とは?(写真はSMエンターテインメント 本社。写真:Lee Jae-Won/アフロ)
インターネット先進国の韓国では今から18年前の2003年、世界でもかなり早くに音楽配信の売り上げが音楽ソフトの売り上げを上回っていた。しかも、世界各国で音楽ソフトの売り上げが軒並み下がっているのとは反対に、韓国では珍しく伸びているのだった。
なぜ韓国ではCDがいまだに売れているのだろうか。K-POPの現地クリエイターへの取材をもとに、クリエイティブの観点からひもといた『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』から抜粋・再構成して紹介する。
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判型・仕様・素材・封入物なんでもあり

近年アナログレコードやカセットテープを購入する若者が増えているが、その「アナログ回帰」とは異なる方向でK-POPのCDはニーズを発掘している。その秘密の鍵を握るのは、独自のプロダクト性だ。私がデザイナーとして韓国に渡ったきっかけは、K-POPのCDデザインの美しさだった。

友人からシェアされたWonder GirlsやSE7ENのMVを見て、「あれ、思ってた『韓流』のイメージと違うかも?」とぼんやり気づき始めていたところに、新大久保で出会ったK-POPグループの多彩な形状のCDに完全にビビッときて、そこからのめり込むようにデザイナーやアートディレクターを調べるようになったのだった。

単にデザインがかっこよかったから、というのもあるが、miss A『Bad but Good』(2010年)の規格外の三角形のCDや、SUPER JUNIOR『Mr.Simple』(2011年)の30センチ四方の巨大なCD、さらにはBIGBANG『ALIVE』(2012年)の、タイトル通りにだんだん錆びていく鉄の容器など、日本ではまず見たことがないようなパッケージには韓国人クリエイターのデザインに対する探求心が見事に詰め込まれていた。

それらの大半が輸入盤で2000円以下で買えるにもかかわらず(韓国では1200~1400円)、ほとんどのCDには歌詞カードに加えて分厚いブックレットが当たり前に付いているのも、これまで自分が知っているCDとはまったく違っていた。

K-POP黎明期の2005年からBIGBANGやBLACKPINKを輩出したYGエンターテインメントでデザインを担当していたアートディレクターのGDSTさんによると、K-POPのCDパッケージがこれほどまでに多様化したのは、わずかここ10年ほどの話だという。

1990年代〜2000年代後半までの韓国のCDを見ると、日本でも定型の、正方形のプラスチックケースの前面に歌詞カードを入れて、その向かいにCDが収まった形態だったことがわかる。

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