メスがオスを選ぶのが動物一般の大原則--『女は男の指を見る』を書いた竹内久美子氏(動物行動学研究家)に聞く

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 もう一つは、自分が持っている免疫の型との相性だ。自分の持っている型と同じHLA(ヒト白血球抗原)を相手から取り入れても意味がない。なるべくバリエーションを多く持っているほうが、侵入してくる厄介な相手に抵抗する手段も多いことになる。だからメスは自分にない型を、人間だったら違うHLAを持った男を選びたい。それを不思議なことに匂いによってかぎ分けている。いい匂いと感じて、HLAの型が違う男を本当に選んでいる。うそみたいな話だが、これも本当だ。

--血液型も、病原体への抵抗力から要注目とのことですね。

血液型も免疫の型である以上、病気に強い、弱いが現れる。O型は梅毒に強い。もし感染しても進行が遅い。O型は社交的といわれるが、社交的というのは読み替えれば女との出会いを求めていると置き換えられるかもしれない。

血液型性格診断は俗説であり、科学的に否定されているといわれるが、それは心理学でのこと。免疫の型と理解すれば、なにしろHLAを匂いで選んでいるぐらいだから、ABO式血液型もなんらかの形で異なっていてもおかしくない。事実、血液型に病気に対する得手不得手もあるから、性格的に行動パターンの違いが生まれたとしても不思議はない。

--はげ人生も結構いいとも。

はげは、病気に全般的に強い。子を残す前に死ぬことが多いなら、はげるという遺伝的な性質は次の世代に残りにくい。しかし、現実にははげが多い。若いころかなり格好よかった男が急速にはげることもある。若いころにもてて遺伝子のコピーを残し、おまけに中年以降の病気に強い。結構なことではないか。

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