メスがオスを選ぶのが動物一般の大原則--『女は男の指を見る』を書いた竹内久美子氏(動物行動学研究家)に聞く

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--それもHox遺伝子など遺伝子の企みに牛耳られている?

一挙手一投足までとはいわないが、こちらが思っている以上に、遺伝子がわれわれを操っていることは確かだ。

--しかも、自己の遺伝子のコピーを残すためにですか。

だれしも自我があると思わねば生きていけないところがある。だが、意識することなく、コピー遺伝子をより残そうと行動するものだ。

--逆に、男は女のどこを見ているのですか。

位置関係で言うと、まず胸がきて、次に脚。脚を細かく分類したアンケートで、脚として太もももふくらはぎも一緒とすれば、胸に次いで脚がランクインしてくる。なぜ男は女のように指を見ないのか、これは研究がなくまだ謎だが、動物一般にメスがオスを選ぶ大原則がある。それがかかわっているのではないか。

メスは妊娠したら、出産や子育てがひと通りすむまで、どうしても数年かかる。繁殖時期もある。メスは卵子にも限りがあるので、より厳しく相手選びをする。だから、メスがオスを選ぶという構図が成り立つ。しかもメスの中にも、妊娠中や子育て中がいて、数としてはオスのほうが多くなる。市場としても少数のメスがオスを選ぶということになる。

--メスは何を基準にオスの質を選ぶのですか。

寄生者に強いオスを選ぶというパラサイト仮説がある。いまの時代、伝染病をそんなに意識しないが、ちょっと前までは結核などで人が多く死に、また天然痘や梅毒も問題だった。地位やおカネがあっても、免疫力が弱かったら人間は生き残っていけない。女による男選びも免疫力が高そうかどうかが、最大のポイントになる。それが一つ。

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