茨城にある「減酒外来」に予約が殺到する事情 断酒が難しいなら、減酒から始めればいい
例えば、「お酒をどのくらいの頻度で飲みますか?」という質問では、「飲まない」(0点)から「1週に4度以上」(4点)までの5択になっていて、10問すべての結果を合計して、問題飲酒かどうかを判定。厚生労働省のサイトによると、日本人のボーダー(カットオフ値)は40点満点中15点とするのが一般的。つまり15点以上は、アルコール依存症が疑われるなどの「問題飲酒」の可能性があるという。
試しに酒好きの夫で試してみた。「飲酒頻度は?→1週に4度以上」「あなたの飲酒のために、あなた自身かほかの誰かがケガをしたことがありますか?→自分で階段から落ちて骨折」などの項目で満点をもらい、合計15点のボーダーとなった。
お酒を飲んでいないなら何をしたい?
このほか呼気テストで依存度を推測するなどして、問題飲酒を見える化したのち、カウンセリングが始まる。
「1日の生活を聞かせてもらったり、どれだけ飲んでいるかを聞いたりすれば、これだけでお酒との付き合いを見直すためのカウンセリングになります。ほかによく聞くのは『お酒を止めたら、その時間に何をする?』という、お酒のない未来をイメージしてもらう質問。
運転できるのでドライブに行くとか、DVDを見るとか、ガマンするのがイヤだから寝てしまうか、いろんな答えが出てきます。私ですか?そのつど、『あーいいね』と肯定します。患者さんのことを一番知っているのは、やっぱり患者さん本人。一番いいアイデアを持っているのも本人です」
同様にアルコールを減らす目標も、患者さんそれぞれでOK。厚生労働省は、「節度ある適度な飲酒」を「1日平均純アルコールで20g程度(=日本酒1合程度)である」と定義しているが、「その2倍でも3倍でもいい。とにかく焦らず、少しずつでも減らすことが大事ですね」
こうしたカウンセリングをサポートする形で使われるのが薬だ。昔の禁酒治療で使われていたお酒を飲むと体調が悪くなるような「嫌酒薬」に代わり、今は飲む前に欲求を抑える「飲酒欲求低減薬」などが登場してメインになっている。
もともと患者は、「平均毎日500ミリリットルの缶酎ハイなどを6本以上飲んでいるようなお酒好き」が多いため、「酒が欲しくなくなった。どうしてくれるんだ」と、本末転倒のクレームを言ってくる患者もいるという笑い話があるほどの効き目らしい。
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