電動キックスクーターで「移動手段」どう変わるか 公道が走れる14万円台「LOM」実際に乗ってみた

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セグウェイ・ナインボットの「Kickscooter MAX」(税込14万3000円)は濡れた路面でも安定した走りで、EVのような回生ブレーキも採用し、運動エネルギーをリサイクル。公称航続可能距離は約65kmだ。現時点では公道走行不可だが、今後の道交法改正で状況が変わるかもしれない(筆者撮影)

事実、電動キックスクーターは大手量販店や大手ECサイトで3万円台あたりからよりどりみどり、近距離の移動に限るならば、もっとも適した乗り物となりえる存在だ。セグウェイが夢見た世界がいま、実現しようとしていると思うと胸が熱くなる。

新しいモビリティを使わなくても、電動アシスト自転車や公道が走れる電動バイク、ガソリンエンジンのバイクでいいじゃないかという声もあるが、駐輪場を用意できない家庭もある。スタンダードな自転車よりもコンパクトに作ることができる電動キックボードは、室内や玄関内での保管がしやすいし、マンションのエレベーターにも載せやすい。小回りも利くし、一般的な自転車より坂道に強いというメリットもある。海外での普及を見れば、日本でも新たな庶民の足として認知される期待感がある。

同時に、電動キックスクーターとは安全な乗り物なのかという不安を感じる人もいるだろう。

クラファンで電動キックスクーターを購入

昨年5月、筆者はクラウドファンディングで新型の電動キックスクーターの事前予約購入に申し込み、今年の4月に実車が手元に届いた。グラフィット(本社・和歌山市)が開発した「LOM」という車両で、電動キックスクーターとしてはやや大ぶりなサイズだ。最高時速は30km以上。セグウェイと比べるとパワフルで、あらかじめ公道走行が可能なように開発された電動キックスクーターだ。

専用アプリがLOMの鍵であり、走行可能距離と地図を確認できるディスプレーとなる。車両にスマホ充電用ポートは備わるが、スマホホルダーは別途用意しなければならない(筆者撮影)

スマートフォンの専用アプリが鍵となり、画面上には地図とバッテリー残量、走行可能距離の目安が表示される。体重・衣類・荷物を含めて55kgの荷重であれば、1回の充電で約40km走れる。筆者の体重は90kgと重いが、それでも23kmは走れると表示された。

日本の道路交通法に合わせて日本で開発・生産された電動キックスクーターで、ヘッドライト、ウインカーをはじめとした保安部品も装備。ヘルメットや自賠責保険が必要となるが、原付バイクと同じナンバーを後ろにつけて、公道を走ることができる。

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