乳製品を「大量廃棄」中国人気番組が炎上の訳 オーディション番組の投票方法が社会問題に
中国のオーディション番組で“推し”に投票するため、ファンが投票権付きの乳製品を大量購入して中身を排水溝に廃棄する動画が拡散され、大炎上している。4月末に「反食品浪費法」が成立した直後とあって、国営メディアや当局も激怒、最終結果が発表される予定だった5月8日の放送は中止に追い込まれた。
渦中の番組は、動画配信大手「愛奇芸(iQIYI)」が配信する人気オーディション番組「青春有你」だ。アイドル志望の練習生が歌とダンスを競う形で展開され、視聴者投票によって選出された9人がグループとしてデビューできる。
現在配信中の「シーズン3」は今年2月に始まり、118人の男性練習生には日本人でソニーミュージック所属の橋本裕太も名を連ねた。直近で練習生は20人(うち1人は辞退)まで絞られ、5月8日の生放送で最終合格者9人が発表されることになっていた。
投票権付きの乳製品を大量買い
視聴者投票の方法は、AKBグループの総選挙によく似ている。AKBの総選挙は、ファンが投票権目当てにCDを複数買いすることが毎年話題になるが、青春有你など中国のオーディション番組では、アプリ内での投票のほかに、番組スポンサーの特定商品を購入し、製品に表示されているQRコードからも投票することができる。
近年の中国の有名な各オーディション番組では、乳製品メーカーの蒙牛がスポンサーになっており、青春有你でも蒙牛の特定商品を購入すると、包装箱の内部に入っているカードやボトルの蓋に表示されたQRコードから投票できる仕組みが導入されていた。
アプリ内では投票回数が限られているが、番組スポンサーの商品は買えば買うほど“推し”の票数を上げられる。ただしAKBのCDと違って乳製品は蓋を開けたら転売も保管もできない。投票のために大量の乳製品を購入、開封して処理に困ったファンたちが路上の排水溝に中身を捨て、排水溝内の液体が真っ白に染まる動画がネットで拡散し、猛烈なバッシングを浴びることになった。
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