乳製品を「大量廃棄」中国人気番組が炎上の訳 オーディション番組の投票方法が社会問題に

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動画の拡散を受け、国営通信社の新華社は5月4日、「番組制作者とスポンサーは大きな利益を上げただろうが、この企画が浪費を生むリスクを考えられなかったのか」と批判記事を発表。北京市の放送業を管轄する北京市広播電視局も同日、愛奇芸の責任者を呼び出し、問題の改善と放送の一時中止を命じた。中国は5月1日~5日まで労働節休暇だったが、当局は休み返上で反応したわけだ。

愛奇芸は5日に、8日の配信延期を発表し、社会的責任を軽視したことを謝罪した。投票も予定より早く打ち切られたため、スポンサーの蒙牛は謝罪コメントとともに、投票の権利が行使されていない商品の返品受け付けを発表した。

国務院の記者会見でも取り上げられる

そして5月8日、国務院の記者会見でもこの問題が取り上げられた。国家インターネット情報弁公室インターネット総合ガバナンス局の張拥軍局長は「たくさん投票するために乳製品を買うが、蓋を開けないとQRコードが読み取れない。そんなに飲めるはずもなく、投票するために乳製品を浪費し捨てる。運営側の問題は明らかだ」と愛奇芸と蒙牛を糾弾した。

張局長は、ファンコミュニティーの行きすぎた行為にも言及し、「大人が自分たちの利益を優先し、青少年に一線を超えさせ、ネットの中傷、ファン同士の誹謗中傷、デマ拡散、不当消費などを引き起こしている」と指摘した。

政府にまで批判された愛奇芸は9日、番組配信だけでなく決戦投票そのものの取りやめを発表した。19人の練習生たちが今後どうなるのかは、現時点で情報がない。

大勢のファンが乳製品を排水溝に廃棄する動画は、誰が見ても気分が悪くなるもので、炎上するのも当然と言える。一方で、当局や国営メディアがこれほど迅速、かつ過敏に反応したのは、政治的要因もある。

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