1つ気になったのは、一部の政治家や情報番組のコメンテーターが「外飲みを防ぐためにコンビニでお酒を売るのをやめたほうがいい」と話していたこと。しかし、家に持ち帰って1人で飲む人も多く、このコメントには行きすぎの感がありました。人間は他人からの締め付けが強くなるほど、本来の目的よりも怒りの感情が先立ち、大きな反発につながる危険性があるのです。
また、あるコンビニの店主から、「『これは外飲みをする人たちだな』というのはわかるので罪悪感はありますが、でも家で飲むかもしれないし、もちろん商売もあるし、売らないわけにはいきません。でも、そういうお客さんが店に来ることをアルバイトの人たちが怖がっていますし、私も高齢なので戸惑っています」という話を聞きました。
「ステイホームなんてやっていられるか」と外飲みをする人と、そういう人を嫌悪している人の両方がいて、「ともにストレスを抱えている」という厳しい状況にあるのは間違いないでしょう。
子どもに連休のステイホームは難しい
「ステイホームをしよう」という気持ちを削ぐもう1つの理由は、子どもたちの影響。ゴールデンウィークは学校が休みであり、子どもたちにとっても時間がたっぷりある時期です。インドアな趣味に夢中の子ども以外は、「外に出て遊びたい」「連休の旅行が楽しみ」「友だちや恋人に会いたい」と思うのは当然でしょう。
しかし、子どもたちに対する政府や自治体のフォローは少なく、「大人と同じように我慢をしてください」というのが基本スタンス。なかには、公園、広場、河川敷などを立ち入り禁止にし、バリケードを設置するところもあるなど、子どもたちの遊び場を奪うような動きも目立ちます。
本来ゴールデンウィークは、学校が休みで喜んでいる子どもが多い時期。思うように遊べずストレスをためている我が子を見た親が「どこかに連れて行ってあげたい」と考えるのは当然でしょう。また、親自身もステイホームによるストレスを感じているため、子どもたちのガス抜きを免罪符にして外出しようと考える心理も理解できます。
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