iPhoneがついに「マスク時のロック解除」に対応 eSIMとのデュアルSIM利用時でも「5G」が有効に

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とはいえ、見ず知らずの人に、普段使っている電話番号を知らせるのを躊躇する人もいるはずだ。このようなときは、一時的にIP電話を契約して、iPhoneで使えるようにするといい。例えば、Brastelの「My 050」は月額料金が無料。eSIMに楽天モバイルを設定して、着信専用に利用しつつ、何か問題があったら電話番号を変えてしまうのも手だ。AirTagは1個3800円とリーズナブルなので、お試し感覚で気軽に購入できそうだ。

デュアルSIMが5Gで通信できるように

iOS 14.5では、iPhone 12シリーズのeSIMも、利便性が向上した。これまでは、eSIMを設定し、物理SIMとデュアルSIMにすると、どちらも通信方式が4Gまでになってしまった。デュアルSIMを取るか、5Gを取るかの2択になっていたというわけだ。片方のSIMカードをオフにすると5Gが利用できたが、切り替えには手間がかかる。これに対し、iOS 14.5では、デュアルSIM利用時でも5Gが有効になった。

そのため、例えば1回線目を音声通話に使いつつ、2回線目で5Gの通信をするといった使い方が可能になった。5Gの設定は、「設定」アプリから「モバイル通信」を開き、「モバイル通信プラン」の欄にある変更したいキャリアを選択。「音声通話とデータ」を開き、「5Gオン」か「5Gオート」にすると、5Gでの接続が有効になる。5Gオンはつねに5Gがオンになる仕様、5Gオートは通信状況に応じてバッテリーの持ちをよくするため、4Gを選択することもある仕様だ。

iOS 14.5から、物理SIMとeSIMのデュアルSIMにしている場合でも、5Gが利用できるようになった(筆者撮影)

楽天モバイルがiPhoneの取り扱いを始めたのに伴い、5Gの利用が可能になった。同社の新料金プラン「UN-LIMIT VI」は、1GB以下が0円、それを超えても3GB以下まで1078円と非常に安い。エリアにはまだ不安があるものの、2回線目に設定して、メインの回線のデータ容量を補う目的で使う手もある。また、ソフトバンクのワイモバイルやLINEMOも、5GとeSIMの両方に対応しているため、2回線目として利用できる。

逆に、物理SIMのメイン回線でビジネスの電話とデータ通信を使いつつ、eSIMに設定したサブ回線でプライベートの電話を待ち受けするといった使い方をしている場合でも、メイン回線側のデータ通信に5Gを使えるようになった。デュアルSIM利用時の5Gに対応したことで、組み合わせ方のパターンが広がっていると言えるだろう。これまでは、こうしたケースではどちらも4Gになってしまっていた。5Gのエリアも徐々に広がっているため、eSIMを利用するユーザーには朗報と言えそうだ。

石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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