あとは、Apple Watchを装着した状態でiPhoneのロックを解除するだけだ。iPhoneの画面を点灯させると、まずFace IDが起動するが、口元のマスクを認識するとキャンセルがかかり、ロックが外れる。パスコード入力の画面が短時間表示される場合もある。ロック解除時には、Apple Watchが軽く振動し、ロックを解除した旨が画面上に表示される。筆者が試した限りでは、マスクの色は白いほうが認識率が高かった。
この方法でロックを解除した場合、Apple Watch側からiPhoneにロックをかけることも可能だ。Face IDがキャンセルされているため、セキュリティの強度は下がっている。ロックを外したつもりがないにもかかわらず、Apple Watchに通知が来た場合はロックをかけておくようにしたい。ロックをかけ忘れたまま、トイレなどに行って席を外すようなシーンでも活躍しそうな機能だ。
一方で、この方法で省略できるのは、あくまで画面ロック解除時のパスコード入力だけ。Apple Payの認証は、従来同様、Face IDかパスコードの入力が必要になる。ただし、Apple Watchを装着しているシーンでは、Apple Watch側のApple Payが利用できる。Apple WatchのApple Payは、サイドキーをダブルクリックするだけでいいので、iPhoneよりも手軽に使える。マスクを着けて認証がストレスになるという人は、この方法でApple Payを使うといいだろう。
AirTag対応で失せ物を簡単に探せる
iOS 14.5は、4月30日発売のAirTagにも対応する。AirTagとは、アップルが開発した失せ物防止タグのこと。鍵やカバン、傘などの持ち物に取り付けておくと、紛失時に探すことができる。紛失と言っても、その種類は2つある。1つは家の中などで、どこに置いたかを忘れてしまった場合。このようなときは、iPhoneの「探す」アプリからAirTagの音を鳴らして探すことができる。
iPhone 11以降のUWB(超広域無線)に対応したiPhoneの場合、AR機能を使ってAirTagを探せる。画面上に、方向やおおよその距離が表示されるため、音を頼りに感覚的に探すよりも、場所がわかりやすい。AirTagをフル活用したいなら、iPhone 11以降の最新モデルを持っていたほうがいいだろう。
もう1つの紛失は、外出時にどこかに置き忘れてしまったときを指す。AirTagは、この場合も持ち物を探し出すことが可能だ。AirTagは、iPhoneやiPadを通して、自分の位置をサーバーに登録するからだ。iPhoneやiPadは、誰が持っているものでもいい。端末数が膨大なだけに、都市部なら、正確な位置がわかりやすい。もちろん、AirTagの情報は暗号化されているため、iPhoneの所有者やアップル自身にも、中身を見ることはできない。
AirTagをつけたものを紛失した場合も、「探す」アプリで設定を行う。「探す」アプリで「持ち物を探す」タブを開き、該当するAirTagを表示して、紛失モードを「有効にする」をタップする。この状態にしておくと、位置が判明した段階で通知が届く。紛失モードには電話番号や発見者へのメッセージを書き込むことも可能だ。AirTagにはNFCが内蔵されており、発見者がiPhoneやNFC対応Androidをかざすと、その電話番号やメッセージを見ることができる。運がよければ、発見者から電話をもらえるというわけだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら