「恥ずかしがりやの子」を伸ばす声かけのコツ 「ダメダメ攻撃」は自信のない子に育ってしまう

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親はつい「うちの子は人見知り」「おとなしい」と子どもの性格を決めつけがちですが、それはやめましょう。恥ずかしがる行動を「ダメ」と決めつける育て方をすると、失敗します。子どもが「安全・安心」と納得し、自ら行動するまで、時間がかかっても待ってあげましょう。「頭がいいね」「じっくり考えてるね」と声をかけて、受け止めることが大事です。恥ずかしがる時期をちゃんと大人に認めてもらえたか。その経験が、行動に導きます。

じつはどんな子どもでも、恥ずかしがる時期はあるものです。恥ずかしがる時期を経て、明るくなる子は「考えつくしてこの世は大丈夫」と思えるようになった子。とても聡明で深く考える子ですね。でも、小さいときに大人から“ダメダメ攻撃”をされると、考えることをやめてしまい、大きくなっても自信のない子になってしまいます。

子どもは、社会行動が上手にできなくて当たり前。あいさつが、なかなかできなくても「そうだよね、よく知らない人に、あいさつしなさいと言われても無理だよね」など、親は、子の考えることをわかっているとしっかり伝える。

そのあとで「『こんにちは』とあいさつすると、世の中はうまくまわるのだよ」と伝えてあげるとよいです。次回、またうまくいかなくても親はくさらないこと。「そういうもの」とあきらめる。いつかできるようになったときに「すごい! 成長した」とほめてあげてください。

親子でできる「呼吸法」

とはいえ、新しい環境やお友達に慣れるまでは、恥ずかしがりやさんでなくとも子どもの心は不安定になりがち。そんな時に実践すると良いのが「呼吸セラピー」です。呼吸セラピーでは、まず気分を天気にたとえることで、自分の感情を客観的にとらえて表現できるように導きます。そしてネガティブな気持ちを手放すための、深くゆっくりした3~4ステップの簡単な呼吸を促すものです。

呼吸セラピーで感情の爆発をおさえられるようになること、「自分だってちゃんと気分をととのえられるのだ」と思えることは、子どもにとって大きな自信につながります。自信がつけば、子ども自身で不安な感情の原因を分析したり、対策を考えたり、実行することもどんどんできるようになるでしょう。生きる力が大いに成長するはずです。

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呼吸セラピーの取り入れ方のポイントは、保護者が子どもと一緒にスキンシップしながら、繰り返しやってみることです。子どもが喜びそうな言葉やリズムに、自由に置き換えてアレンジしてみてください。

保護者が子どもの体にふれながらいっしょに呼吸法をためすと、おおきな安心感につながるでしょう。「呼吸セラピー」で、不安から離れる時間が多くなれば、人間関係にも、勉強やスポーツ、将来は仕事にも、プレッシャーなくのびのびあたっていくことができるでしょう。

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