富士通・野副州旦社長解任時の録音全文

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秋草直之相談役:残念です。山室さん、大浦さんがおっしゃったように、主観的な問題はありますが、客観的には非常に今危ない状態にあります。わが社は、にらまれています。
仕手株の対象になりつつあって、その背後にはこういった会社がいるのではないかというのは感じてます。

そういう意味で、最悪、司法の手が入る可能性も大きいと思います。上場廃止とならざるを得ないとそれまで覚悟しなければならないと思うんですよね。野副さんには、非常にがんばっていただいて、ここまでもってきて、残念だが、やむをえないと思う。

野副:ひとつ質問していいですか。私自身の行動が、そういったリスクを持っていたということ、まあ、事前に教えていただく訳にはいかなかったでしょうか。人物Aさんとの付き合いが、そういったような危険なものであるということですね、それから、マスコミとか、特定の人間にそれだけいろいろ密にコンタクトしていたことがですね、やっぱりとるべき相応しい態度ではなかったというようなことを、事前に教えていただくような道はなかったんでしょうか。

山室:2月のニフティの問題のときに、かなり強い警告があったのではなかったのですか。

秋草:人名君だとか、そういう人たちは、この件、ファンドAはいかに怪しいところだと重々承知しています。

野副:そうですか。

秋草:知っていますから。たぶん野副さんには、私、サラリーマンとして言っていないと思います。周りには、人名君から言っていると思います。野副さんのまわりのスタッフが野副さんに対する本心を完全に排除している。非常に残念です。日ごろ言っていることなんですが、全然なされずに残念です。

野副:まあその、私自身は、言い訳になるかもしれませんけれども、そのはっきり申し上げて、ファンドAが裏にいるということについて、一時、そういう情報を、秋さんから教えてもらった以降はですね、そういったファンドは一切使うことはないようにと指示したつもりですが、そういったことになってなかったということについては今はじめてお聞きして、きわめてやっぱりそれは残念だと。もう少し、強い。
 
安井三也法務本部長:ファンドAのファンドを遠ざけろと仮におっしゃったとしても、ファンドAの日本法人の、人物Aさんは社長なんです。で、その人と、野副さんが個人的にお付き合いをされていたということが、やはり取締役会、あるいは世間からは、そうはやっぱり見てもらえない、ということだと思います。

それから、あの、村島さんも私も、野副さんからお聞きした話だと、やっぱり人物Aさん対するものすごい信頼感、これはもう個人としてのたぶん信頼感だと思いますが、これは、これだけ強い信頼感のことをこう公言されるということは、やはりわれわれ下の人間から言っても、これは切れないと。

人物Aさんとの関係は、やはりわれわれ下の人間、たぶん人名も同じだと思うんですが、切れないと思ったんではないかと。それくらい、やっぱり、強い信頼感というものを示しておられたと。

で、人物Aさんは、日本法人の、ファンドAの代表であったと。ここがもう、やはり取締役会としては、判断、決断のしどころであったという風に、私は皆さんと話をしていて思いました。本当に残念です。

山本卓眞名誉会長:私は比較的最近知ったんですけど、そういうことだと思います。しかし会社のために、野副さんにやっぱりここは決断していただくしかないという風に思います。過去の社長としてのご努力は十分に評価しますけど、この段に至っては会社は放っておくにはいかない、決断していただくしかないというふうに強く思います。以上です。

間塚道義会長:私のほうからも、この1年3カ月、野副さんは本当によくやっていただいたと思います。社員からも、それから、会社のOBからも、お客さんからも、メディアからも大変評価が高かったという風に思います。

しかし、われわれは、会社を守らなければならない。先ほどの上場廃止とか、金融機関がすべてお金を引き上げるというようなことになったら、会社は倒産であると、16万人の社員というようなものをわれわれは守らなければならない、というふうに思いました。そういうわけで決断いたしました。

野副:よくわかりました。

《野副氏が辞任届を確認して、署名》

野副:まああの、サインしましたんで。やっぱり私には、こういう器ではなかったということですかね。そういった、よういさ、というか。やっぱり甘かったというか。

(終わり)

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