菅首相、「日米首脳会談で政権浮揚」の思惑外れ 支持率は横ばい、コロナ第4波で緊急事態宣言へ
これに対し、鳩山由紀夫元首相は18日にツイッターへ投稿し、「夕食会を断られ、ハンバーガー付きの20分の首脳会談では哀れ」と指摘。「初対面なのに『ジョー』『ヨシ』と親しげに呼び合う演出は外務省の浅知恵でしょうが、不慣れなオロオロ感と気恥ずかしさがモロでした」と嘲笑した。
今夏の東京五輪開催についても、首脳会談では「コロナに打ち勝った証としての開催」というこれまでの常套句を使わずに、「世界の団結の象徴」という表現で開催への決意を表明した。
これに対し、バイデン大統領は「(東京五輪の)開催への努力を支持する」という発言にとどめ、外交関係者は「『大変だろうけど頑張ってね』という意味で、あえてアメリカの参加は確約しなかった」と分析する。
ロイター記者の質問を無視
菅首相はこれまで、東京五輪開会式に大統領を招待することにも言及していたが、「大統領の了解が得られなかったため言い出せなかった」(外務省筋)とされる。
ホワイトハウス前庭で行われた共同記者会見では、ロイター通信記者が「感染対策ができない中での開催は無責任ではないか」と質問したが、菅首相はこれを無視する形で日本の記者を指名し、「首脳会談では五輪開催について大統領が協力表明した」と胸を張った。
20日の衆院本会議では、立憲民主党が質問無視の理由を質した。菅首相は「バイデン大統領への質問と認識してしまい、結果として回答漏れがあったのは事実」と釈明した。
共同記者会見で記者の質問をスルーするのは、「外交儀礼上もありえない」(外交専門家)のが国際的常識だ。このため、「菅首相が経験不足を露呈した」(閣僚経験者)との指摘も相次いだ。
衆院本会議ではファイザー社CEOとの電話会談も野党から追及された。「電話で済ませられるなら訪米前でもできたはず」(立憲民主党)という指摘だ。関係者によると、「日本側は対面での会談を要求したが、コロナ対応を理由に断られた」とされ、与党内では「せっかくワクチンの追加供給を約束させたのに、評価が半減した」(自民幹部)との恨み節も出る。
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