菅首相、「日米首脳会談で政権浮揚」の思惑外れ 支持率は横ばい、コロナ第4波で緊急事態宣言へ

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しかし、会談後の日米共同声明などで、バイデン大統領が推進する対中国包囲網への「日本の参画が明確になった」(外交専門家)ことで、日米関係は新たなステージに踏み込んだ。

その象徴となるのが1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領の首脳会談以来、52年ぶりとなる共同声明での台湾明記だ。「台湾海峡の平和と安定のため」と記し、台湾はすぐさま歓迎、中国は猛反発する談話をそれぞれ発表した。

台湾明記で米中対立の最前線に

日中両国が帰属を争う尖閣諸島に、日米安全保障条約第5条を適用することも再確認。菅首相は「さらなる日米同盟強化」と胸を張るが、アメリカの対中戦略へ日本が組み込まれることは「(バイデン大統領との)初対面会談実現の対価」(自民幹部)とみる向きが多い。「近い将来に想定される台湾有事の際は、集団的自衛権による自衛隊出動も避けられない」(同)との指摘も出る。

地政学的に日本が傍観を決め込むことができた東西冷戦下の佐藤・ニクソン会談と違って、今回の台湾明記は「日本が米中軍事対立の最前線に立たされる」(防衛庁幹部)ことを意味するからだ。

今回の首脳会談は「テタテ」と呼ばれる通訳のみの2人だけの会談が約20分間。その後の少人数での会合と拡大会合で合計2時間半となった。ただ、首脳会談とセットになるはずの大統領主催の晩餐会は、コロナ対応を理由に行われなかった。

菅首相が重視したテタテ会談では、双方が地方議員出身のたたき上げとしてトップに上り詰めるまでの経験を語り合い、すぐさま打ち解けたという。菅首相は「ハンバーグ(ハンバーガーの間違い)にも手を付けずに話し込んだ」と満足気だった。

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