日産GT-R、誕生から14年の全歴史に見た超進化 最新2022年モデル「GT-R NISMO」は何がスゴいか

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4月14日に発表された、2022モデルとなるGT-R NISMO(写真:日産自動車ニュースルーム)
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R35型と呼ばれる「GT-R」が登場してから14年が経過した。ここ数年、日産自動車のモデルサイクルの長さは経営課題の1つだったが、その中でも群を抜くロングライフだ。

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といっても、放置されてきたのではなく、毎年のように進化・熟成を行ってきた。

今年4月14日には2022モデルとなるGT-R NISMOとそれをベースにした特別仕様車「GT-R NISMO Special Edition」が先行公開されたばかりだ。

アスリートのように、中身を絶えず進化

2007年にGT-Rが登場したときの開発責任者・水野和敏氏は「アスリートが毎年進化していくように、GT-Rも毎年進化させる」と話していた。水野氏の日産退社後に開発責任者を引き継いだ田村宏志氏も「見た目や型式を変えずに中身を進化させる方法もある」と語っている。

ここでは、その変貌を具体的に振り返ってみよう。

R35は2007年に登場。「いつでも、どこでも、誰でも」そのパフォーマンスを体感できる「マルチパフォーマンススーパーカー」をコンセプトに、プレミアムミッドシップパッケージ、V6-3.8Lツインターボ(480馬力/588Nm)、6速DCT、独立型トランスアクスル4WD、マルチマテリアルボディー、エアロダイナミクス、サスペンション、ブレーキ、ランフラットタイヤなどなど、すべてが専用開発。これまでのスカイラインをベースにした派生モデルではなく、日産のフラッグシップへと生まれ変わった。

その性能は登場時から世界トップクラスで、ベンチマークとしていたポルシェ911ターボ(997型)のニュルブルクリンク北コースのラップタイムをアッサリと更新、世界中を驚かせた。

「2008モデル(2008年7月頃)」は北米導入に合わせたアップデートを実施。スペックの変更はないが、スプリングレート/マウント類/ブレーキパッドを生産管理値の変更、生産側の努力によるボディー精度向上でサスペンションのしなやかさと動きのスムーズさを向上。9月にはサーキットでの走行性能をさらに高めるOPパッケージ「NISMOクラブスポーツパッケージ」が設定された。

「2009モデル(2008年12月)」は欧州導入に合わせたアップデートを実施。エンジン出力は本体/電子制御の精度向上により最高出力を485馬力(+5馬力)に引き上げながらも燃費を8.3km/L(+0.1km/L)と向上。サスペンションは新構造ショックアブシーバーの採用とバネレートの変更(フロント)、燃料タンク容量拡大(71→74L)、フロントナンバープレート枠廃止(空力に影響)で全長短縮(4655→4650mm)などが行われた。

さらに2009年1月に遅れて登場した「スペックV」は走りに特化した仕様で、重量低減(60kg)のために2シーター化やカーボンブレーキ、専用鍛造アルミ、チタンマフラーなどを装着。エンジンの変更はないが、スイッチを押すと80秒間トルクが588→608Nmまでアップするハイギアードブーストを追加した。

次ページ初の大幅改良は2011モデル
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