都営三田線「8両化」、悲願実現への長い道のり 昔から計画あったが…ついに2022年度開始
都交通局は、2019年度の経営計画(東京都交通局経営計画2019)で三田線の一部編成を8両化すると公表。実際には2018年夏に8両編成の新型車両製造を車両メーカーと契約しており、同年3月の都議会予算特別委員会でも交通局長が議員の質問に対し、「沿線地域の開発が進み、お客様の増加が見込まれますことから、1編成当たりの車両数を今般6両から8両に増強する」と答弁している。
だが、三田線の8両化が計画されたのは今回が初めてではない。同線はもともと将来の8両化を想定して造られており、東急目黒線との相互直通運転開始時には同じく同線に乗り入れる東京メトロ南北線も含め、8両編成にする計画があった。
現在の東急目黒線と三田線、東京メトロ南北線による直通運転実施の方針が打ち出されたのは1985年。東京圏の鉄道網整備指針を示した「運輸政策審議会第7号答申」に盛り込まれ、都交通局と東急電鉄、営団地下鉄(現・東京メトロ)は1988年12月、相互直通運転に関する覚書(営団7号線と東急目蒲線及び都6号線と東急目蒲線との間における列車の相互直通運転に関する覚書)を交わした。この中には「輸送計画」として列車編成に関する内容も含まれており、「相互直通運転列車は8両編成」との文言がある。
ホーム延伸も行ったが…
その後、三田線では直通運転の実施に向け、8両化に対応するための工事を実際に行った。1992年3月の都議会公営企業委員会会議録によると、ホームの長さが足りなかった巣鴨―西台間の10駅では同年度から延伸工事を計画。「これらの駅は建設の当初から8両運転を想定いたしまして、既にトンネルは完成しておりますので、工事はホーム床面のみを延伸するもの」と、当時の都交通局工務部長が答弁している。
都交通局によると、この工事は1992~1995年度に実施したという。車両編成を伸ばす際に課題となるホームについては、この段階ですでに準備が整いつつあったわけだ。
しかし、8両化は実現しなかった。直通運転開始の約2年前、1998年10月16日に都交通局と営団、東急の3者が交わした「相互直通運転列車の編成車両数に関する確認書」は、前述の覚書の定めにかかわらず「相互直通運転開始時から当面の間、営団、都、東急ともに6両編成とする」と明記。8両編成への移行時期については「東急目蒲線(現・目黒線)目黒―洗足間立体交差化完成時を目途とするが、相互直通運転開始以降の旅客需要動向を勘案したうえで協議して決定する」こととされた。
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