普通の会社員が実力以上の大金持ちになる方法 コロナ時代に稼ぐカギになる「資本家比率」とは

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例えば、年収500万円の会社員が、毎年、250万円で暮らして250万円を投資に回し、これが年率5%で回るとすると、14年目くらいに資産が5000万円を超えて、資産からの所得で生活費を賄える計算になる。ミニサイズのFIREは一応完成する。

もっと稼げる人は、手取り所得1000万円を500万円ずつに振り分けて考えても、14年で1億円になる計算だ。先ほどの2倍サイズのいくらか余裕のあるFIREだ。

「一定のお金」+「他人に必要とされ、機嫌良く働く」

しかし、人生のいつの時点の14年を使うとしても、せっかくの稼ぎをもっと広義の「自己教育」に投資する方が有効なのではないだろうか。一般に教育投資はより早い時点で行うほうが有効だ。理由は、その効果をより長く使うことができるからだ。

「経験」も広義の「自己教育」だが、珍しいこと、面白いもの、美味しいもの、人付き合い、なども早く経験しておくほうが、経験が役に立つ期間が長いし、「思い出」もより長く楽しめる。「人生経験の乏しいアリよりも、教養豊かなキリギリス」を目指す方向性もあっていい。

筆者は、証券会社に勤務し、お金の運用の本なども書いているわけだから、「FIREを目指して、投資しよう!」と他人にけしかけるほうがビジネス上は有利なのだが、自分個人の人生を振り返ると、お金をためこんで投資するよりも「早めに有効に使う」ほうが、効果的な場面が多かったように感じている。

一方、FIREを達成すると、働くことに縛られずに済むし、自由の範囲は拡がる。個人的にも、「財産的な蓄えが十分ないことで諦めた正義」のような残念な経験が幾つかある。

とはいえ、FIREよりも、「他人に必要とされて、機嫌良く働ける」状態を確保することにより魅力を感じるのが正直なところだ(ただし、この性格はたぶんお金持ちになることには向いていない)。もちろん、お金はあって邪魔になるものではないので、儲かることを目指したい気持ちは大いに持っていようと思う。まずは働いて、少しは投資することにしよう。

今回は、大富豪との対比で自分に目が向いたので、少々寂しい結論になったが「現実的な幸福論」として何らかのご参考になると幸いだ(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページいよいよ皐月賞。混戦模様に山崎氏の結論は?
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