「やる気のない人」を劇的に変える質問のコツ

人は「自分で選んだこと」であれば頑張れる

人を“やる気”にさせるのは難しいです。人の心を変えるためには「押す」のではなく、「自分で考えて選択した」と思わせる必要があるようですが、そのためのテクニックとは? (写真:Graphs/PIXTA)
人を“やる気”にさせるのは難しい。いくら「やれ」と尻を叩いても、アメとムチを与えても、こちらの思ったとおりに動いてもらうのは至難の業だ。というのも、「押しつけられた」ことに対して人は本能的に反発を覚えることが多いからだ。
人間の心理を科学的に研究しているジョーナ・バーガー氏によると、人の心を変えるためには「押す」のではなく、「自分で考えて選択した」と思わせる必要があるという。そのためのテクニックとは?
※本稿は『THE CATALYST 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術』(かんき出版)より一部抜粋・編集したものです

想像と現実の大きな差を埋めるには

ビジネススクール入学に必要なGMATや、大学院進学に必要なGREといったテストの対策を指導するシェルパ・プレップという会社がある。ナフィーズ・アミンはそのCEOだ。会社はワシントンDCに拠点を置き、10年以上にわたって数百人の学生を全国有数の大学院に送り込んできた。

しかし、最初から成功できたわけではない。ナフィーズはいつも同じ問題が持ち上がることに気づいていた。学生たちの勉強量が少ないのだ。

ナフィーズは会社経営のかたわら、自分でも教壇に立っていた。ほとんどの学生はもう何年も数学をやっていない状態だ。それにテストでは、計算機の使用が認められていない。そこで授業の初日は計算の基礎をおさらいすることが多い。

それに加えて、ナフィーズは学生の学習計画の指導もしていた。彼らはきちんと学習計画を立てるだけでなく、友人にこの学校に通っていることを話して、責任を持って勉強に取り組むことが求められる。

しかし、ナフィーズは学生と実際に話して気づいたことがある。彼らが考える必要な勉強時間と、GMATに合格するために必要な勉強時間との間に大きな開きがあるということだ。多くの学生は、これがどれくらい大変な試験かわかっていなかった。

学生はみな、当たり前のように全米トップ10に入る大学を志願して、少し勉強すれば普通に合格すると思っている。トップクラスの大学を志願するのは優秀な学生ばかりだが、それでも合格率は5パーセントという狭き門だ。彼らはその厳しさがわかっていなかった。

彼らの多くはそれまで優秀な学生で通してきた。大学進学共通試験のSATは楽勝で、定期テストでもいつもいい点だったのだろう。しかし今回は次元が違う。高校の成績は単なる過去の栄光だ。

GMATを受験するのは、大学を卒業し、さらに大学院まで行こうという人たちだ。大学入試のときとは違い、高いレベルで争わなければならない。これまでのやり方は通用しないということだ。

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