「やる気のない人」を劇的に変える質問のコツ 人は「自分で選んだこと」であれば頑張れる

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「先生はプロだからわかりますよね?」と、ある学生が発言した。

「私のレベルだと、何時間ぐらい勉強すればトップ校に入れますか?」

今こそあの数字を伝えるときだ。この段階になれば、学生たちも「300時間」という数字を受け入れる準備ができている。これは10週間のコースなので、割り算をすれば1週間に必要な勉強時間もすぐにわかる。つまり1週間に5時間ではとても足りないということだ。これで学生たちもやっと本気になり、より現実に即した学習プランを立てることができる。

質問の効果は絶大だった。学生たちの勉強時間が増え、授業の理解度が上がり、テストの成績も上がった。こうなったのは、ナフィーズが上から「もっと勉強しろ」と言ったからではない。学生たちが自分で気づけるように、ナフィーズがうまく導いたからだ。

人は自分が考えて出した答えなら喜んで従う

質問の効果は、具体的には2つある。1つはメニューの提供と同じで、相手の役割を変えるという効果だ。こちらが断言すると、相手はそれに反論することばかり考える。

しかし質問なら、答えを自分で見つけようとする。自分はどう感じるか、自分の意見はどうかということを自由に考えられる。これはたいていの人にとってとても楽しい作業だ。

そしてもう1つは、相手が思いどおりに動いてくれる可能性が高くなるということ。こちらの効果のほうがより重要だろう。人は他人の指示には従いたくないが、自分で考えたことなら喜んで従う。質問への答えは、単なる答えではない。ほかならぬ自分が出した答えだ。自分が出した答えなのだから、自分の考え、価値観、好みを反映している。人に言われたことより、実行する可能性ははるかに高くなるだろう。

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