採用現場で減らない面接官の「ひんしゅく発言」 結婚・出産の質問…社会人の自覚が足りない

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生活のいろんな場面で「頑張って」が使われる。スポーツで「頑張れ」は定番の声援。日常会話でよく使われるのは「頑張ってください」。善意に満ちたはげましの言葉だ。

採用面接でもよく使われる。一生懸命面接に取り組んだ学生を激励する意図があるのかもしれない。しかし、学生には別の言葉に聞こえる。「さよなら、ご縁がなかったですね」と響くのだ。

この「頑張ってください」を学生は聞きたくない。言ってほしくない代表格の言葉だ。以下にいろんな大学の学生のコメントを挙げるが、要するに「うちでは採用しないから、よそで頑張って。いい結果が出るといいねぇ」という他人事のあいさつだ。「頑張って」と言う面接官は善意の人だろうが、学生はヘコんでいる。

「就職活動頑張ってね」(その他私立大・理系)

「他の企業の選考も頑張ってください」(早慶大クラス・文系)

「冬まで面接を頑張ってほしい」(その他私立大・文系)

「頑張ってください」のバリエーションとして「お祈りします」がある。

「就職活動がうまくいくことをお祈りします」(その他国公立大・文系)

「悔いのない就活になるようにお祈りしています」(早慶大クラス・理系)

話を聞かない大人

コミュニケーションの基本は聞く力。傾聴力とも言う。ビジネス研修でまず教えられるのは、よく聞くこと。相手の言葉をさえぎらず、言葉を引っ張り出していくと人間関係もビジネスもうまくいく。

人は気持ちよく話すと、聞いている相手に好意を抱くようになる。逆に話をさえぎられると、人間性を否定されたように感じ、嫌悪、憎悪するようになる。

話をまともに聞こうとしない大人はけっこう多い。面接官の中にもいる。早く話を切り上げ、面接を終わらせたいのかもしれない。学生に興味がないので、どう思われても構わないのだろう。

こういう面接官がいつも不作法なわけではない。客先との打ち合わせでは、ホンネを引き出す優秀なビジネスマンであるかもしれないが、学生にとっては傲慢な大人にすぎない。

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