採用現場で減らない面接官の「ひんしゅく発言」 結婚・出産の質問…社会人の自覚が足りない

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面接官は差別と自覚していないのかもしれない。しかし、男子学生に対して「男性は○○」という決めつけをしないのに、女子学生に対して「女性は××」と形容すれば、それは差別だ。

「女性はお客様の子どもの面倒を見るのが得意なので、店内の受付や子どもの相手でお客様家族の印象を高めます、という発言」(その他私立大・文系)

「女の子だしね~~~」(上位私立大・文系)

「会社に入って達成したい具体的な目標はと聞かれたときに『たとえば、女所長になるとか』と言われた」(旧帝大クラス・文系)

 「女性活躍」というカンバンがかかっていても、素直に信じる学生ばかりではない。偽善、欺瞞を感じとる女子学生もいる。

「女性が働きやすい職場(実際は違う)」(早慶大クラス・文系)

「女性を積極的に『活用』している」(早慶大クラス・文系)

多くの企業は採用ホームページで女性活躍を掲げ、「女性が働きやすい職場」とPRしているが、カンバンに偽りがあり、面接では本音が出る。偽りのカンバンのままで採用面接トークをするわけにはいかないのだろう。

結婚・出産、家族についての質問

企業がとくに気にしているのが、「結婚」と「出産」。面接官の発言を読むと、結婚・出産をしない女性を歓迎しているようにさえ見える。

今回のコメントにはなかったが、面接官に「彼氏はいるか? 結婚する予定なのか?」というプライベートに立ち入った質問をされた女子学生もいる。こういう質問はすべてアウト、コンプライアンス違反だ。

「結婚や出産などの意志」(その他国公立大・文系)

「結婚・出産はするのかを遠回しに聞かれたのは嫌だった。女性活躍を掲げる企業だったので、どんな女性も活躍できる環境ではないのだと感じた」(上位国公立大・理系)

「公正な採用選考の基本」は、応募者の基本的人権を尊重すること、適性・能力のみを基準とすることだ。厚生労働省は「配慮すべき事項」も具体的に規定して公開している。採用に関わる部署にいるなら勉強する必要がある。不適切な採用選考としてもっとも多いのは、「家族に関すること」だ。

「お父さんはどこに勤めているの?」(上位私立大・文系)

「家族の職業、兄弟の学歴」(旧帝大クラス・文系)

「家族の仕事内容まで聞かれたのはびっくりした」(中堅私立大・文系)

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