ミクシィ森田社長、「10年は社長やります」 本業は「新しい価値」を生むこと
山田:逆に言えば、今まではそういった点が、ちょっと課題だったところがあったんですか。
森田:というよりも、あんまり僕らの会社って、過去に大規模な会社合併を経験したことがなかったんですよ。だから今は何が正しいかもわからないんですけど、少なくとも社員の交流は大事にしたいし、もちろんグループ会社の社長とも普通に飲みに行ったりもします。そういうところはうまくできているのかなと思っています。
山田:森田さんが創業者である笠原さんに、何か指示することもあるわけですか。
森田:今のところ全然ありません。僕はもう笠原さんには好きなものを作ってほしいと思っています。もともと彼はモノを生み出す力がものすごく高い人なので、一ファンとして楽しみです。
山田:ここで会長から新しいプロダクツが出てくると、「おお!」という感じで、ミクシィならではの特徴になりますよね。
森田:そうですよね。「それを考えるとプレッシャーで夜も眠れない」って笠原は言ってましたけど。(笑)。いままで笠原はどちらかというと経営者だったので、いわゆるモノづくりの、プロデュースの笠原をこれから見られるのを楽しみにしているスタッフも多いですよ。
山田:なるほど。ところで今の若い人たちの起業については、どう思いますか。森田社長自身はネットビレッジでスタートアップに参加した経験があると思いますが、2000年前後と比べると、スタートアップの環境が変わってきています。昔はサーバーを大量に買わなきゃいけなかったから、会社を興す費用もその分かかった。
森田:ネットビレッジは自分がつくったわけではないので、何とも言えませんが、今はすごくチャレンジしやすい環境になったと思いますね。2000年当時は回線速度も遅かったしインターネットもそこまで便利になっていなかった。1999年に携帯電話のiモードが出てきて、それこそ白黒画面でちょっと何か見られますよ、ぐらいの時代だったのが、いまはスマホでいろいろなことができるようになっています。
技術面以外のことでいえば、昔は失敗を重くとらえていたけれど、最近は「トライするのがいいことだ」みたいな風潮も見られるじゃないですか。失敗してもその経験を評価してくれる会社が出てきた。そういう意味ではいい環境になっていると思いますね。
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