郵貯が事実上の国有化、猛反発する地域金融関係者、民主党には投票しない!
風評リスクを警戒 民間の努力を妨害
政府の郵政改革法案の国会提出を前に、全国の信金、信組の業界関係者は怨嗟の声を上げている--。
「亀井(静香・郵政改革担当)大臣がことあるごとに、『メガバンクはけしからんが、信用金庫・信用組合には配慮する』と発言し、自民党議員は、『郵貯を肥大化させれば、信金・信組が危ない』と言う。こうした発言自体が風評リスク。体力の弱い中小金融機関からの資金流出に結び付くのではないか」(信金幹部)。
「競争条件が違いすぎる。3分の1以上政府の出資があれば、誰が見ても政府保証。こちらは民間企業だから、リーマンショックのようなことが起これば赤字にもなる。顧客からの大事なおカネだから、もう1000万円郵貯に預け替えると言われても文句は言えない」(信金理事長)。
「金融庁検査を受ける身として、亀井大臣ににらまれるようなことは言えないが、郵政改革担当と金融担当の兼務とは、総理大臣はいったい何を考えているのか」(信組幹部)。「地域金融機関の長い間の顧客開拓の努力を妨害する“改革”。中小金融機関はメガバンクや大手地銀とは違い、決算書で融資するのではない。融資先中小企業の業務はもちろん社長の人柄まで熟知して、信頼を勝ちうる努力をしてきた。そういったノウハウを持たない郵貯がカネを吸い上げてどうしようと言うのか」(別の信金理事長)。
信金、信組の預貸率は地域によってかなりバラツキはあるが、平均すると56~57%台(下表参照)。「地方の経済は疲弊し続け、仕事がないから、資金需要がない」(信金関係者)。