ウォークマン、グーグル、スタバの意外な共通点 成功の理由は「余計なものを省くこと」だった
市場調査で反感を持たれたウォークマン
経済学のロジックは、より多いことがよりよいと提案する。心理(サイコ)ロジックは、より少ないことがより多いことになると信じている場合がしばしばである。
盛田昭夫は、日本で17世紀の半ばから酒の製造と販売を、そして19世紀の半ばごろから醤油や味噌の製造と販売も行ってきた家の出身だった。盛田はビジネスパートナーの井深大とともに、1946年にソニーを(東京通信工業株式会社という名称で)創業した。
同社が最初に焦点を当てた製品はテープレコーダーで、その後は日本初のトランジスタのポケットラジオを発売した。だが、盛田が天才ぶりを遺憾なく発揮したのはおそらくソニー・ウォークマンを製造したことだろう。これはいわばiPodの祖先である。
1975年以降に生まれた人にとって、人々がヘッドフォンをつけて歩き回ったり、電車の中で座ったりしている光景は少しも奇妙ではないだろう。だが、1970年代の後半にはこんな行動はとてもおかしなものだった。
1980年代後半の、人前で利用することがばかげていると思われかねない、初期の携帯電話を使っている光景に匹敵するものだっただろう。市場調査では、ウォークマンに関心を持つ人は非常に少なく、かなり反感を持たれていると判明した。
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