コロナ禍こそ絶好機「幸福を高める学び」実践法

趣味を極めていくだけでも成果は見込める

――前野先生は、好きなこと、やりたいこと、人の役に立つことを仕事にしている人は幸せを感じられると指摘されています。コロナ禍の厳しい状況で転職、副業を考えている人も、やはりそういう条件を優先したほうがいいでしょうか。

そうですね。とはいえ、いきなり仕事を変えるのは不安やリスクもあるでしょうから、今思い切ったことをするのは勇気がいるとは思います。

でも、学びや成長に積極的な人は、「会社を辞めました」、「転職しました」、「独立しました」って、どんどん動いていますよね。コロナ禍のような状況になると、社会がごちゃごちゃ混乱します。ごちゃごちゃするから、新しいビジネスも生まれやすくなるのです。

もちろん、生活第一ですから、生きていくための最低限の資金は確保しなければいけません。ただ、収入だけに縛られて不満や不安を我慢するのではなく、先を見越して何かを勉強したり、チャレンジしたりすれば、結果的に自分を高めて幸福度が上がっていくんですね。

本業に不満があっても、いきなり会社を辞めたり転職できなかったりする人は、副業でやりたいことをやればいい。副業禁止の会社だったら、得意なスキルや知識を生かしたボランティア、プロボノでもいいと思います。それも難しいなら趣味を極めるだけでもいいので、会社と自宅以外の居場所を増やして、成長を止めずに人間関係を広げたほうがいいです。

世界で自分しかやっていないことに取り組む

――大人の学び=資格試験の勉強と思っている人も多いです。

脳が変化すれば何でも学びになりますから、資格取得も、趣味も、失敗も成功も、すべて学びです。同じことばかり繰り返していない限り、人間は日々何か学んでいるわけです。

ただ、幸福学の研究者として理想を言うと、世界で自分しかやっていないことへの取り組みがおすすめです。

僕も、幸福学の研究を10年ほど続けたら、「第一人者」と言われるようになりました。学問に限らず、自分しかやっていないことを10年続ければ、「第一人者」になれるんです。意外とすぐですよ。

――先生は、何かの「第一人者」になりたいと思って幸福学の研究をはじめたのでしょうか。

何かで成功したいという自己顕示欲は、結構、強かったですね、恥ずかしながら。でも実際に「第一人者」と言われるようになってわかったのは、有名になることが嬉しいわけじゃなく、それで人の役に立てるようになったことが嬉しいんです。

最近は、自分がどうなりたいかより、一人でも多くの人が幸せになるために幸福学を究めたい、と思うようになりました。

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