日経平均は日銀買い減少で今後も急落するのか 「ETF買い入れ」政策変更の影響はどこまで深刻?

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日銀はETF(上場投資信託)の買い入れ目標を削除、日経平均連動型の買い入れはやめた。株価は今後、どんどん下落していくのだろうか(写真:つのだよしお/アフロ)

日銀は3月19日の金融政策決定会合でETF(上場投資信託)買い入れ目標の「6兆円」を削除した。これについて3月22日に黒田東彦総裁は「現時点でETFの買い入れをやめるとか、売却を検討しているということはまったくない」と補足して株式市場に配慮した。だが、今後株価が大幅に下落しない限り、ETFの買い入れ額が減少するのは間違いなさそうだ。株式市場への影響はどうだろうか。

日銀がETFの買い入れ方法変更に踏み切ったワケ

まずETF買い入れ目標削除に至るまでの経緯と背景を整理しておきたい。従来、日銀のETF買入れ目標は、原則額が年間6兆円、上限額は年間12兆円であった。原則の買い入れ額は、白川方明総裁体制の2010年に買い入れが開始されて以降、度重なる増額を経て2016年7月に年6兆円へと引き上げられた。上限額は20年3月の新型コロナウイルスの世界的大流行による株価急落局面で、より大胆な買い入れを実施する狙いから12兆円に設定された。

「金融政策を担う中央銀行が株式市場に介入するのは異常だ」――。こう指摘する声は開始当初から多かったが、日銀はそれが2%の物価目標達成の一助になるとの判断から10年超にわたり継続してきた。ところが、日経平均株価が3万円を回復するなど株式市場が上昇基調を強めるなか、その必要性を問う声は増えていた。そうした空気の変化もあり、日銀は満を持して今回の決断に至った。

上述の3月の金融政策決定会合では6兆円の買い入れ目標が取り下げられたほか、買い入れ対象のETFはTOPIX(東証株価指数)連動型に一本化された(TOPIXに採用されている銘柄数は約2200)。2021年3月まで買い入れ対象としてきたETFはTOPIX連動型が約85%、日経平均連動型が約15%、JPX日経400が1%未満であったから、これによって買い入れスタンスは、広く薄い形に変更されたことになる。そうすることで株式市場における存在感を低下させる狙いだろう。

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