アサヒが「ビール風味の低アル飲料」に託す使命 オリオンビールも若者向けの市場開拓を狙う

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アサヒビールの低アルコール飲料「アサヒ ビアリー」(写真:編集部撮影)

「アルコール度数0.5%のビールなんて、何のために飲むの?」

アサヒビールの梶浦瑞穂・新価値創造推進部部長は、大のビール好きだ。「低アルコールビール」開発の報告を受けたとき、心の内ではこう思ったという。

だが完成品を試飲し、態度を改めた。アルコール度数0.5%ながら、一般のビールと同様の風味を感じたからだ。アサヒビールはこの低アルコール飲料を「アサヒ ビアリー」として3月30日に発売した。

酒税法で「酒類」はアルコール度数1%以上のものすべてを指す。しかし、低アルコールに明確な定義はない。目安としては、ウイスキーなどを含めた酒類全般で、おおよそ度数10%未満のものとされる。そこで、各社がアルコール度数を抑えつつも楽しめるものとして目をつけているのが、3%未満の度数だ。

背景に健康志向と適正飲酒促進の動き

低アルコール飲料への注目は以前から高まっていた。酒類メーカーにおいて、消費者の健康を考慮する動きが加速していたためだ。欧州などでは、健康面からあえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス(Sober Curious)」と呼ばれる人たちが増加。国内でも潜在的な顧客として位置付けられている。

コロナ禍では、さらに需要が高まっている。消費者の飲酒習慣は大きく変わり、落ち着いて家で過ごせるようなったのでゆっくり酔いたいという人や、運動不足になりがちな中でアルコールによるカロリー摂取を控えたいという人が増えたからだ。

そこへ政府の動きも加わった。今年3月26日に閣議決定された「アルコール健康障害対策推進基本計画(第2期)」では、商品容器にアルコール度数(%)だけでなく、アルコール量のグラム表示もするよう、酒類メーカーに検討を促している。同計画では健康障害だけでなく、飲酒運転などの社会問題も含めて、対策を図ろうとしている。

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