生活習慣病から難病向けが主流になる新薬開発《特集・クスリ全解明+先端医療》

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 結核、高血圧、胃潰瘍、子宮頸がん……。かつて「難病」とされた病気の多くが、その後、新薬の登場で治療・予防が可能になった。

この4月、医療用医薬品の薬価制度改定の一環として試行的に導入された「新薬創出・適応外薬解消等特別加算」(新薬特別加算)も今後、難病向け新薬開発を促すきっかけになりそうだ。新しい制度では、製薬メーカーは薬価の面で優遇される代わり、新薬開発に今までよりも力を入れなければならなくなるからだ。

そもそも「医療用医薬品」とは、医療現場で使われ、医師の処方箋が必要なクスリを指す。医療用医薬品には国の公定価格である「薬価」がつけられ、通常、患者の自己負担は3割、残り7割は公的健康保険から医療機関や調剤薬局に支払われる。

ただし、薬価はそのまま維持されるわけではない。薬価は2年に1度、全面改定される。2年の間には、効能の似た別の新薬が市場参入したり、特許切れ(発売から約8~10年後)でジェネリック(後発医薬品)と呼ばれる同一成分の安いクスリが出てきたりする。そうした市場動向を背景に、ほとんどの場合、薬価は改定ごとに引き下げられてきた。

4月の薬価改定でも、医療用医薬品は全体で平均5・75%引き下げられた。ところが、今回試行的に導入された新薬創出加算により、がんや難病など既存の治療薬が乏しい分野を中心に、特許期間中の大半の製品で薬価がほぼ据え置かれた。

この加算の恩恵を受けた製薬メーカーには、未承認薬(海外で標準的に使えるのに日本では行政当局に承認されておらず、使えないクスリ)や適応外薬(ある疾患向けには日本でも承認済みだが、海外で標準的に使える別の疾患向けは未承認)について、積極的に開発に取り組む義務が課せられたのだ。

09年以降発売の新薬はすでに難病向けが主流

もっとも、こうした行政当局の経済誘導がなくても、市場に出る新薬の顔ぶれは大きく変わりつつある。


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