生活習慣病から難病向けが主流になる新薬開発《特集・クスリ全解明+先端医療》

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 2009年から直近まで、「新有効成分」(他のいかなる疾患向けでも国内で未承認)として発売された新薬は合計29品目。内訳を見ると、いわゆる生活習慣病向けは、糖尿病向けを除けば高血圧症向けが1品目のみ。

その一方で、がん関連は抗がん剤および抗がん剤副作用向けで7品目、うつ病・統合失調症・ADHD(注意欠如・多動性障害)の精神疾患向けは4品目、糖尿病向けもインスリン製剤を含め3品目と目立っている。

既存の医療用医薬品市場では、生活習慣病である高血圧・脂質異常症を中心とした循環器官用薬が全体の4分の1弱と圧倒的。薬効別では依然首位を占めている。

ただ、足元の新薬発売状況を見るかぎり、今後はがんや精神疾患をはじめとした「難しい病気」のウエートが生産金額でも増えていくのは確実だ。生活習慣病ながら、高血圧や脂質異常症に比べて治療薬によるコントロールが難しい糖尿病も、新薬開発の余地はまだ大きい。

今は関係なくても、長い人生の中では、必ず自分や家族や周囲の誰かが大きな病気にかかるものだ。
 
 『週刊東洋経済』2010年5月1日・8日合併特大号(2010年4月26日発売)の特集『クスリ全解明+先端医療』では、気になる「病気」と「クスリ」の最新情報を徹底取材した。
(週刊東洋経済)

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