観客減に苦しむスポーツ界が見誤っている本質

コロナ禍で配信視聴者を増やす方向は正しいか

昨季のJリーグは新型コロナウイルスの影響で一時中断。その後、無観客で再開し、段階的に入場者数上限の引き上げが行われた。入場者数制限は今季も続いている(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
Jリーグやプロ野球などのプロスポーツは、新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな打撃を受けています。厳しい状況を打開すべく、クラウドファンディングなどさまざまな取り組みを行っていますが、スポーツデータ分析の専門家である森本美行氏は「抜本的な解決策としては少し難しい」と指摘します。では、スポーツ界はどう対処すればいいのでしょうか。森本氏が解説します。
※本稿は森本氏の新著『アナリティックマインド』から一部抜粋、再構成したものです。
前回:ブラピ映画で脚光「野球の統計学」常識覆す凄さ
前々回:Jリーグに「補強苦手なクラブ多い」残念な理由

観客減によってクラブ独自のさまざまな試みを開始

スポーツビジネスの収益の柱の1つは、試合開催日の入場料を中心としたマッチデー収入だ。満員のスタジアムはチームの人気のバロメーターだ。競技およびチームへの人気がスポンサー収入や高額の放映権に結びつく。

そのマッチデー収入はサッカーで言えば、クラブの総収入のうち約20%から30%、野球では球団の総収入のうち40%から50%近くにのぼる非常に大事な収入源だ。

ところが昨季(2020年シーズン)J1の入場者数は、新型コロナウイルスの感染拡大による入場制限の影響もあり、大きく落ち込んだ。クラブとしては厳しい状況を、手をこまねいて見ているわけにはいかない。

すでにクラブ独自でさまざまな試みが始まっている。スタジアムに行くことはまだはばかられると感じているサポーターに対し、これまで目にすることがなかったコンテンツの提供を開始したクラブが複数ある。YouTubeなどを通して普段聞けない選手同士のぶっちゃけトーク、ステイホーム期間の選手のプライベート映像やオンライントレーニング、過去の試合映像などをクラブのOB選手と一緒に見る企画などが行われた。

資金的に苦しいクラブはクラウドファンディングや、少しでも収入の足しにしようと投げ銭、ギフティングと呼ばれるサービスを行った。

次ページ一定の成果を収めたクラブもある
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