週350本放送「ミニ番組が昔も今も粒揃い」の訳 見たことはあっても、知られていない存在意義
ミニ番組はテレビの黎明期から存在する
あらかじめお断りしておきたい。本稿では15分以下の番組を「ミニ番組」とさせていただく。NHKも日本民間放送連盟(民放連)も、「これがミニ番組である」といった明確な規定は設けていない一方で、ビデオリサーチの「テレビ視聴率速報」に記載されるのは15分以上の番組なので、ミニ番組はそれ以下のものと解釈した。
ミニ番組は非常に身近な存在だが、その存在意義を問われると、説明するのが難しい。なぜ存在するのだろうか?
そこで、日本テレビ元社長の萩原敏雄氏に教えを乞うた。1994年から2003年まで同局が年間視聴率3冠王を獲得した際の司令塔だ。
入社は日テレ開局から6年後の1959年。萩原氏によると「僕の入社当時からミニ番組はあった」と。当時の新聞縮刷版にはすでにニュースやテレビ体操が存在する。どうしてミニ番組はテレビ黎明期からあるのか?それは、まずスポンサーが望むからだそうだ。萩原氏は言う。
「ほとんどが1社提供で、スポンサーははっきり自分の会社を前面に押し出せるわけですからね。冠番組みたいに」
ミニ番組は格好のPRになる一方、社名が前面に出るから、スポンサーは良質の番組を望む。局としても異論があるはずがないので、昔も今もミニ番組は粒揃いと言われる。それは局側にもプラスをもたらす。
「プライム帯でスポットCM枠を確保するためには、ミニ番組を使うしかないんですよ。ごく短い番組ですが、前後にステブレ(=ステーションブレイク)枠がしっかりありますから。ミニ番組をやるとやらないとでは、スポットCM枠は大きく違います」(萩原氏)
例えば午後8時台に60分番組を編成し、同9時台の60分番組につなぐと、スポットCMが流せるステブレ枠はわずかしか生まれない。だが、番組間にミニ番組を挟むと、ステブレ枠は拡大し、スポットCMも増える。局の収入増につながるというわけだ。
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