不況に沈む会社と「踏ん張れる会社」の意外な差 営業利益率でなく対粗利利益率で見てみると?
4月に入り、多くの会社が新年度をスタートさせています。昨年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、巣ごもり需要をとらえて業績を伸ばした企業もあれば、飲食、航空、観光業などのように大きく業績を落とした企業もありました。
そして、コロナの影響により打撃を受けている同じ業界であっても、倒産の危機に直面している会社もあれば、余力を持って会社の建て直しに邁進している会社もあります。
私は弁護士、税理士の両資格を持ち、コンサルティング会社の代表も務めていることから多くの会社の経営を見る機会がありますが、力強くコロナを乗り切り成長しようとする会社は、どの会社もある経営指標の数値が高いという共通点があることに気がつきました。それはRPGという経営指標です。
対粗利利益率=RPG
拙著『成長も安定も実現する経営指標 RPG入門』でも詳しく解説していますが、RPGとは Ratio of Profit for the Gross-margin(対粗利利益率) の頭文字をとったもので、損益計算書の数値のうち、
RPG=営業利益 ÷ 粗利(売上高総利益) × 100
の数式で算出される数値です。
コロナの混乱の中でも安定して成長している会社は毎年20%を超える高いRPGをキープしているのです。また、10%を超えている会社はまずまずの経営、10%未満の会社は油断のできない経営状態ということができます。
損益計算書を用いた指標の代表例としては営業利益率(営業利益÷売上高×100)というものがあり、これをバロメーターにして経営をしている会社も多いと思います。もちろん、営業利益率を指標とすることも良いのですが、私がRPGを良い会社を作るためのバロメーターにすることをお勧めする最大の理由は、業種を問わずRPG20%という同じ指標を使うことができるというものです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら