不況に沈む会社と「踏ん張れる会社」の意外な差 営業利益率でなく対粗利利益率で見てみると?
次に、B社も同様に売上高が15%減少した場合を見てみましょう。
まず、売上高が1億円から8500万円に減少すると、B社は粗利100%のサービス業ですから粗利も8500万円になるということになります。
一方で、固定費が前年と変わらない8800万円ならば、結果としてB社は300万円もの赤字(損失)を計上することになってしまうのです。
営業利益率はB社のほうが高いのに意外な感じがするかもしれませんが、A社のような卸売業では、変動費の割合が高いため、売上高が下がってもそれに連動して変動費が下がるので、一定の利益を確保できるのです。これに対し、B社のように変動費の割合が低いサービス業では、売上高が下がったとたんに固定費を負担しきれず、すぐに赤字に転落してしまう体質なのです。
つまり、変動費の割合は業種などによって異なりますので、営業利益率が何%くらいあれば安全かという目安も業種や会社ごとに違ってきてしまいます。
売上高を何%落としても赤字に転落しないか
一方で、RPGは営業利益の粗利(=営業利益+固定費)に占める割合を示しており、業種を問わず「何%売上高を落としても赤字に転落しないか」を表す指標となるのです。営業利益率12%だったサービス業のB社は、12%売上高を落とすと赤字に転落する(RPG12%)のに対し、営業利益率1.6%だった卸売業のA社は、16%の売上高減まで利益を出せる(RPG16%)ので、B社のほうが安全な経営だというわけです。
実際の企業の例を見ても、営業利益率とRPGは必ずしも比例するとは限りません。
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