不況に沈む会社と「踏ん張れる会社」の意外な差 営業利益率でなく対粗利利益率で見てみると?

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図表も使いつつ、具体例で説明しましょう。

(外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

以下のA社とB社のうち、安定的に成長するのはどちらの会社だと感じますか?

卸売業A社

A社は、売上高が5億円あるものの、卸売業のため変動費(仕入)が大きいので粗利は10%の5000万円。固定費を差し引いた後の営業利益は800万円で、売上高に対する営業利益率は1.6%です。

サービス業B社

B社の売上高1億円ですが、サービス業で粗利が100%という業態です。固定費を差し引いた後の営業利益は1200万円確保しており、営業利益率は12%となっています。

私はたくさんの方にこの質問をしたのですが、ほとんどの方の意見は「B社のほうが良い経営をしている」というものでした。

おそらく、「A社は売上高の割に粗利が少ない」「B社のほうが営業利益率は高い」というのがその理由かと思います。

A社のほうが経営状態がいいと考えられるワケ

しかし、私が指標として重視しているRPGを基準にしてみると実際の経営状態がいいと考えられるのはA社のほうです。

2つの会社のRPGを計算してみましょう。

A社
営業利益  800万円 ÷ 粗利 5000万円 × 100 = RPG 16%
B社
営業利益 1200万円 ÷ 粗利 1億円 × 100 = RPG 12%

A社のほうがRPGは高いです。

では、なぜRPGが高いほうが経営状態はいいと言えるのか。仮にそれぞれの会社が売上高を翌年15%ずつ落としてしまったと仮定して、さらに具体的にご説明しましょう。

まず、A社は、売上高の15%を失うと、売上高は5億円から4億2500万円に減少します。その結果、前年は4億5000万円必要だった商品の仕入(変動費)も15%減少して3億8250万円になりますので、粗利は4250万円残ることになります。

A社の固定費が前年と変わらず4200万円だとしても、結果としてなんとか50万円だけ営業利益を確保することができることになります。

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