武装闘争に突入「ミャンマー」国軍の残忍な手口 武器を持たない通行人や子どもまで殺害された

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ミャンマーがおそろしい過去に逆戻りするかもしれないという考えが一部の抗議者を奮い立たせているのである。これからジャングルで軍事訓練に参加するという若い女性は、子どものころに家族と身を寄せ合って、こっそりとイギリスBBCの国際ラジオ放送を聞いたことを覚えている。かつてのミャンマーでは投獄されることもある行為だった。

「あらゆる手段を使って、命がけで戦う覚悟」だとこの女性は言う。「全国で一斉に抵抗すれば、国軍に眠れない夜を過ごさせることができる。軍が私たちにしたのと、まったく同じように」

カギを握る少数民族の蜂起という支援

武装抗議が成功するには、国軍と長く戦争状態にある少数民族の蜂起という支援が必要になる。3月中旬にはミャンマー北部カチン州で少数民族武装勢力の「カチン独立軍」が国軍に奇襲を仕掛けている。

25日には、カレン族のために闘う「カレン民族解放軍」が国軍の兵士を5人殺害した。昨年、西部ラカイン州で起こった別の民族蜂起との戦闘で国軍は何百人という兵士を失っている。

「少数民族武装集団が攻撃を開始すれば、都市部の抗議活動に対する弾圧を和らげられるかもしれない」と話すのは「カレン民族同盟」の書記長パドウ・ソウ・ハサー・ブウィ氏だ。

都市部には国軍で最も悪名高い部隊が配置され、少数民族との内戦よりクーデターへの抗議運動を押さえつけることに集中。殺戮行為の勢いはまったく衰えていない。

マンダレーでは22日、鍋に水を入れるために家を出た14歳のコー・トゥン・トゥン・アウンさんが殺された。遺族によれば、胸を弾丸で打ち抜かれ、即死だったそうだ。同じ地域ではその日、少なくとも7人が銃で撃たれて死んだ。うち2人は救助隊員だったという。

(執筆:Hannah Beech記者)
(C)2021 The New York Times News Services

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