武装闘争に突入「ミャンマー」国軍の残忍な手口 武器を持たない通行人や子どもまで殺害された
26歳の船乗り、コー・ソー・ウィン・ナインさんはヤンゴン都市部の紛争地帯で、ほとんど毎日を戦闘に備えて過ごしている。ヘルメットにはGoProのカメラを装着。頭から目出し帽を被って、ベストのポケットには催涙ガスの入った小瓶を入れ、鞘に収めた剣を背負い、ガスマスクをいつでも使える状態にしている。彼のお気に入りは、花火を加工して作った手りゅう弾風の武器だ。
コー・ソー・ウィン・ナインさんは何週間も家に帰っていない。治安部隊の襲撃から地域を守る自警団に加わっているからだ。だが彼は、軍隊と闘うためにジャングルに入って軍事訓練を行うことは支持していない。
「私たちは正義のために働いているのに、私は難民のようになってしまった」とコー・ソー・ウィン・ナインさんは言う。「たとえ殺されることになったとしても、最後まで闘い抜く」
サイバー戦争にまで発展
前線の闘士たちは土嚢を積み上げ、竹でバリケードを築き、自家製の火炎瓶で守りを固めている。子どもたちも闘いに加わっている。子どもたちは敵を刺激しないよう、パジャマ姿で戦闘の持ち場に向かう。
「怖くなんかない」と言うのは、防衛戦線に参加する15歳のコー・モエ・ミン・ラットさんだ。背丈は150センチメートルほどしかない。
反クーデター派の戦術はサイバー戦争にまで拡大してきている。24日、クーデターに抗議する勢力が軍に関連した2つの銀行にハッキング攻撃を仕掛けたと発表した。
若い世代に闘う決意をもたらしているのは、ミャンマーが過去10年間で獲得したものを守りたいという気持ちだ。ミャンマーはかつて地球上で最も孤立した国のひとつだった。排外的で経済的に無能な軍事政権がミャンマーを国際社会から切り離したからだ。その後、暫定的ではあったが政治改革が行われ、インターネットで世界とつながれるようになり、民間部門で仕事を得られるようにもなった。