「精神疾患」発症する人の7割が25歳以下の現実 若い世代への教育や啓発が求められている

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そして「病気に対する偏見(スティグマ)」も、受診が遅れる大きな理由の1つと言っていいでしょう。精神疾患には根強い偏見があって、精神疾患にかかることは恥だと考えてしまいがちです。患者さん本人も親御さんも病気だと認めたくない。一方、周囲の人も、本人に指摘しづらいというのが実情でしょう。

回復が可能な病気だ

もちろんそれ以外にもさまざまな理由が重なって、若い世代はなかなか受診につながっていません。医療が発達し、国民のだれもが保険証1枚でどこの医者にでも診てもらえる。そんな制度が整った文明国にいながら、大変残念なことだと思います。

――精神疾患には多くの誤解もあります。

「精神疾患はよくなることはない」と誤解している人が多いですが、適切な治療で回復が可能な病気です。より早く見つけてより早く治療を始めるほどよく治ります。早く発見して適切な医療につなげたい。もっと言えば、発病前に見られるごくわずかな兆候をなんとか見つけて本格的な病気に移行するのを防ぎたい。それが若い世代の精神疾患にかかわる私たち精神科医の願いでもあるのです。

(文・熊谷わこ)

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