30代、"出世キャラ"でない自分を変えたい 冷めた「非・会社人間」から、脱皮できますか?

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オトコ社会のキーワードをつかむべし

まずはステップ1です。著書にも書いたのですが、責任あるポジションに就いていた頃、私は偉い人たちとの会議でつねに空回りし続けていました。今考えると、すでに出来上がったコミュニティに強引に仲間入りしようとし、「認めて!」というオーラを出しまくった「うざい女」そのもので、偉い人たちも困っていたのだと思います。

空回りはさすがに自覚しますから、焦った私は、最も尊敬する元女性上司で、すでに高い役職についていらした方に相談しに行きました。すると彼女は、

「オトコはあなたと違う生き物なのよ。あなたらしさを理解してもらう前に、まずはあなたが彼らを理解しなければ」

と言いました。さらに「オトコ語」というキーワードを授けてくれて、

「どんな言語で会話しているかよく観察してごらん。オトコ語は英語と同じくらい共通言語だから、習得しておくといいわよ」

と言ったのです。

私はこの言葉で目が覚めた気がしました。オトコ社会という厳然たる現実。女性はまだ少数派ですから、「認めてほしい」と思ってジタバタしてしまうのは当然です。でも、そこには、彼らの慣習や言語があって、それを作り上げてきた歴史もあるわけです。逆の立場だったらやはり、異分子を受け入れるのに少し抵抗を感じたり、受け入れていい相手かどうか見極めたりしたくなるでしょう。

「こんな社会はおかしい!」と批判するのは簡単です。でも一方で、私たち女性は、違う生き物であるオトコたちの築いてきた社会、生態、気持ちを理解しようとし、そのうえでそこで輝くための振る舞いをする、というしたたかさを持ち、主体的に参加していくことが必要なのではと思うのです。

ちなみに、彼女は、私が「オトコ語」を理解していくために、「事実と数字」というヒントを与えてくれました。よく観察してみると、オトコ社会では、「事実と数字」で議論され、物事が判断される――そう実感が持ててから、私はそれに合わせた仕事の運び方を覚え、おかげでとても生きやすくなりました。

あなたの会社ではあなたの会社独自の「オトコ語」があり、コミュニティがあるかもしれませんね。でも、「相手を理解する」ことからしか自分を理解してもらえないのだ、というのはすべてに共通の原則なのでは、と思います。まずはじっくりとその仕組みと話される言語を観察してから、作戦を立てるようにしましょう。

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