[図説]中国力 矢吹晋著

[図説]中国力 矢吹晋著

超巨大国家への道をひた走る中国を多彩な切り口から紹介した、平板な解説文や単なるデータの羅列にとどまらぬガイドブック。半世紀にわたり中国を見続けた著者ならではの考察が随所にある。437ページの大冊には項目125、図表271、コラム40が収められ、政治経済を中心に情報、社会保障、軍事力、少数民族、ソフトパワーなど中国の現状を知るに欠かせないテーマも怠りなく、手元に置くのに便利だろう。

全体として中国をマクロとミクロ両面からとらえようとしている点が特徴で、この国の危うさもそのようにしてより明快に見えてくる。特に「中国共産党-官僚特権階級の形成」の章はデータ、分析ともに興味深い。太子党の実態を詳細な個人別データで見ていくほどに、著者の懸念は十分に説得的だ。勝者の驕り、権力の腐敗、そして苦い良薬の不在。本書の主張が杞憂だとは思えない。主な企業名、人名にふりがながつくとなおよかった。  (
純)

蒼蒼社 3150円

  

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