コロナ禍で入退院も困難な「認知症」の過酷 自粛生活で認知機能低下、介護者のストレスも深刻

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コロナで地域の家族会の集いや認知症カフェなどの交流の場が減ったことも、認知症の人と家族の孤立を招いた。同支部の大野教子代表は話す。

「先の見えない介護と先の見えないコロナの状況が相まって、苦悩している姿に胸が詰まった。他の人とつながれないなか、孤立してどうにもならないと悩みが深くなっている」。

大野代表によると、本音では離れて住む家族の顔を直接見たいが「会ってもらえない」と悩む高齢者も多いという。

サポートは地域ぐるみの総力戦

認知症の人が認知症の人を介護する「認認介護」も増えている。「認認介護の場合は感染管理が特に難しいため、訪問看護師やヘルパーなどでサポートする地域ぐるみの総力戦になる。こうした地域の医療・介護職には、一刻も早くワクチンを接種してほしい」(髙瀬医師)。

緊急事態宣言は解除されたが、ワクチン接種が行き届くまでに医療体制の逼迫が再び起こる可能性がある。病床の確保だけでなく、コロナの影響を受けやすい認知症の人やその家族が取り残されないよう、それぞれの地域で支えるシステムづくりが一段と重要になる。

井艸 恵美 東洋経済 記者

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いぐさ えみ / Emi Igusa

群馬県生まれ。上智大学大学院文学研究科修了。実用ムック編集などを経て、2018年に東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部を経て2020年から調査報道部記者。

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