転職で「情報集めに必死な人」が失敗しがちな訳 キャリア観を変えなければ生き残れない

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個人が実際に転職活動をする際、採用する側の会社は、まず間違いなくSNSを通じて応募者の情報を得ようとするでしょう。ここでまったく情報がなければ、どんな人なのかが伝わりません。

フォロワーが多いか少ないかは二の次であり、大事なのはタグに関係する一貫した情報を発信しているかどうか。働き方、キャリアについての一貫した発信があれば、会社側もその人の人となりがわかります。

「この人はガツガツ系だからウチには合わない」

「この人はウチの文化にフィットしそう」

このように見当がつけやすくなるわけです。

転職は人と会社がフィットするかどうかが最大のカギとなります。ある企業で戦力外通告を受けた人が、別の企業に入社して大活躍することだって珍しくはありません。まさに「捨てる神あれば拾う神あり」です。

精度の高いマッチングを実現するには、個人ができるだけたくさん情報発信をしておくのがいちばんなのです。

タグの発信は転職以外にまでいい効果を生む

タグをもとに発信をすることは、検索にかかりそうなキーワードを入れて発信するのと同じです。そうやって、自分自身がSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)を意識しながら発信すれば、転職に有利な情報が集まりやすくなる効果もあります。

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集まってくる情報は、前述したような間接情報ではなく、ダイレクトな一次情報です。例えば、自分が「○○業界について知りたい」というメッセージを発信すると、「そう言えば、○○業界について知りたがっていたよね」という具合に、SNSのつながりの中から情報が寄せられるようになります。

そこからキャリア相談に発展し、転職先が見つかるなんてことも起こりえます。

実際に、リンクトインでリクルーターが人材を探すときに行っているのが、まさに「タグ」の検索です。例えば「日本在住」「法人営業」「リーダースキル」「語学力」といったタグでどんどん絞り込むと、候補となるタレントが浮上します。浮上した候補者を順番にスカウトしていき、面談に結びつけるといったことが日常的に行われているのです。

つまり、自分が発信しているタグと求人市場が求めているタグが合致するかどうかで、いいスカウトが来るかどうかが決まるというわけです。

基本的に、いい情報を発信している人にはいい話がもたらされます。たとえカテゴリーが狭くてニッチでも、「あの人はあの分野に詳しい」「スペシャリストだ」という評判が立てばこっちのものです。

副業のオファーや業務委託形式でのプロジェクト参加の打診が来るかもしれません。第一想起される人には、どんな形であっても、相談が来るはずなのです。

村上 臣 LinkedIn(リンクトイン)日本代表、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部客員教員、ポピンズ社外取締役、ランサーズ社外取締役

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むらかみ しん / Shin Murakami

青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。2000年8月、株式会社ピー・アイ・エムとヤフー株式会社の合併に伴いヤフー入社。2011年に一度退職した後、再び2012年4月からヤフーの執行役員兼CMOとして、モバイル事業の企画戦略を担当。2017年11月に8億人超が利用するビジネス特化型ネットワークのLinkedIn(リンクトイン)日本代表に就任。日本語版のプロダクト改善、利用者の増加や認知度向上に貢献し、2022年4月退任。株式会社ポピンズ 及び株式会社ランサーズの社外取締役ほか複数のスタートアップの戦略・技術顧問も務める。

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