うつのサイン「見逃して重症化する人」の盲点 不安緩和に効く妙薬は「何かに没頭する」こと

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――そういった予兆を自覚した場合、どうすれば?

自分の中で抱えている悩みを片っ端からノートに書き出して、それが不安なのか恐怖なのか、仕分けすることが大切です。また、書き出す行為そのものが、マインドフルネス状態となるため不安が広がらなくなります。そして、書き出したうえで、「解決できること」と「解決できないこと」に、さらに分けることも重要です。

――「解決できないこと」は考えないようにする?

それは「落とし穴」になる対処方です。なぜなら人は、「能動的に忘れようとしたり、考えないようにしたりすることはできない」からです。「不可能なことにチャレンジした結果、さらに負荷がかかり、不安が悪化してしまっている方」も少なくありません。

そうではなく、繰り返しになりますが、まずは悩みを整理し、「考えない」ではなく「置いておく」のです。「解決できないこと」は文字どおり書いた紙を机の片隅に置いておく。信じれないかもしれませんが、それをするだけで多くの方が感覚として2~4割ほど楽になるのです。

「なぜ」「いったい」といった言葉はNG

――たしかに、考えないようにするなんてできない(苦笑)。自分に異変を感じるようになったら不安と恐怖を紙に書き出し仕分けする、さらに「解決できること」と「解決できないこと」を書き出して分ける、「解決できないこと」は置いておく……、視認できることもあって気持ちがぜんぜん違いますね。

コロナのような閉塞感がある状況で、イライラしないためには、「なぜ」、そして「いったい」といった言葉は避けることも肝心でしょう。「なぜ」は、過去への後悔。「なぜ、こんなコロナに不向きな事業を始めてしまったのか」などは代表例です。

しかし、その事業を始めようとした時点では、コロナについて知りえなかったわけですよね。これでは、じゃんけんで「チョキ」を出して負けた際に、「なぜチョキを出してしまったのか」と悩むのと一緒です。あまりにも不毛であり、イライラは増すばかりです。

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