新型コロナをはじめとする経営環境の変化により、企業の時価総額や収益性は大きく影響を受けている。3月19日に発売された『会社四季報』2021年2集春号では、各企業の時価総額、収益性の変化を検証するため、5年前の決算期末からの時価総額の増加倍率と、今期予想ROE(自己資本利益率)の5年前からの改善度を算出し、各企業のページに掲載している。
今回はこの中から、時価総額の増加倍率が大きい会社、ROEの改善度が大きな会社のランキングをそれぞれ集計した。
半導体関連企業が多数ランクイン
時価総額の増加倍率でトップとなったのは、最先端のEUV用を中心に半導体関連装置の受注が増えているレーザーテック。5年前の決算期末から直近までで、時価総額は43倍に上昇。直近の業績も好調で、会社側は2月初旬に主力製品のマスク欠陥検査装置などの販売増を理由に2021年6月期の業績計画を上方修正。予想ROEは31%で、ROE改善度は15.5ポイントと高い水準となっている。
半導体関連では、高純度化学薬品メーカーのトリケミカル研究所が4位に入ったほか、検査装置の世界大手アドバンテスト、石英部品のテクノクオーツなどがランクイン。世界的に需要が拡大している半導体関連の会社への期待の高さが見てとれる。
2位は時価総額倍率が35.8倍で、ROE改善度でも首位のアイ・アールジャパンホールディングス。上場企業の投資家対応の重要性が高まっていることを背景に、アクティビスト対応支援などのコンサルサービスが拡大している。今年2月以降の株価下落で時価総額はピークからやや減少しているものの、5年前比では大幅な上昇となっている。
3位のメドピアは医師向けの情報サイト「MedPeer」を運営。新型コロナの影響などにより製薬会社でオンラインを活用した営業手法が増えていることを受け、2021年9月期は出足から業績好調だ。これらの会社を見ると、収益性の向上と併せて時価総額も増加していることがわかる。
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