「会議中スマホを見る人」を襲いかねない問題 タスク・スイッチングが脳を疲弊させる

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さらに怖いことに、こうしたタスク・スイッチングは、脳の機能を衰えさせることがわかっています。情報をきちんと理解するクセをつけなければ、つねに情報から情報へと切り替えていくのが脳のパターンとなり、理解力も記憶力も低下します。

つまり、私たちに必要なのは短時間でも1つのタスクに没頭して効率を上げることです。1つの作業に没頭すれば、「フロー状態」と呼ばれる深い集中状態が生まれやすくなり、ふだんより能力も高まり、心理的にも充実感を得られることがわかっています。

これはプライベート時間でも同じで、せっかく自分のやりたかったことをやっても、つねに気が散っていては満足度が下がってしまいますから、何かをするときには1つのことに集中して取り組むことを意識してください。

「承認欲求」が集中を邪魔する

私たちが安易に集中を乱してしまう理由の1つに、「承認欲求」があります。

SNSでよく言われる言葉ですが、私たちの心の中には「他人から評価されたい」という逆らいがたい強い欲求があるため、ちょっとした頼み事でも人からの要求を断るのはとても難しいと感じてしまうのです。

職場でも、いろいろな人から頼みごとをされて困っている人はいませんか? その人はとても優しい人だと思いますが、実際のところ、自分の時間を他人に捧げて承認欲求を満たしているとも言えるかもしれません。それに、他者からの声がけやメールなどの刺激に反応することは、立ち止まって自分の生き方を見つめ直そうとするよりもラクなことです。

つまり、どれだけ時間術に詳しくなろうとも、その前に自分自身が「人の要求より自分の欲求を優先する」「自分の時間の使い方は自分で決める」と決意しなくてはならないのです。

集中を邪魔されるいちばんの原因になるのは、スマートフォンによる通知です。いますぐスマホの設定を開いて、すべての通知をオフにしてしまいましょう。

PCでも同様にすべての通知をオフにしてしまうことをおすすめします。とくにポップアップで知らせてくるメールや、お気に入りのブログや動画の更新通知は、意識のうえでは無視しているつもりでも、必ず集中を途切れさせてしまいます。「設定」からまとめてすべての通知をオフにしましょう。

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