飲み屋に「ランチのノウハウ提供」する深い理由

夜間営業ができない店舗と生産者を繋ぐ仕組み

代々木駅近くの「ほぼ新宿のれん街」に軒を連ねる海鮮居酒屋「カイフォルニア」。夜の時短営業対策として、ランチ時間帯にはカンパチご飯を名物とする「小浜水産」を展開する(筆者撮影)
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コロナによる外出自粛要請、店舗への時短要請などによって、飲食業界は大きな打撃を受けている。当然であるが、影響を受けるのは店舗だけではない。その先の生産者も本来店舗に卸すはずの食材が売れないため、困窮しているのだ。

こうしたときに登場するのが、「つなぐ」サービスだ。食材余りの問題は2020年3~5月の自粛期間中にも起こり、例えば生鮮食品通販アプリのポケマル、全国の農家から卵を仕入れて1個売りをする「幻の卵屋さん」など、生産者と消費者を直接つなぐサービスが注目を集めた。

やりとりされる食材は鹿児島産の高級カンパチ

今回紹介する取り組み「小浜水産プロジェクト」も、その1つに数えられる。食材が売れず困っている生産者と、夜間の営業ができず困っている店舗をつなぐ仕組みだ。

ここでやりとりされる食材は鹿児島産の高級カンパチ。それを、夜間中心の営業からランチ営業に切り替えた店舗に購入してもらい、品余りを解消しようというものだ。

ただ、これは食材を右から左に移すというサービスではない。食材に合うメニューや、ノレン、ノボリ、ポスターなど、食材のおいしさを引き立てる販促品などを含めてパッケージ商品として提供する。また、調理スキルのない店には簡単な研修も行う。そのため、例えばバーのような飲み物だけを出していた店であっても、パッケージを導入するだけで営業開始できる。

このプロジェクトに参加しているのは、現在3店舗。そのうち代々木にあるカイフォルニアは「ガンガン焼き」と称する貝類の蒸し焼きで人気の居酒屋で、本来であれば、地域住民や新宿の繁華街から流れてくる客で深夜まで賑わう店だ。しかし今は政府および都の要請に従い、アルコールの提供は19時まで、営業は20時までとしている(取材時時点。3月22日より営業は21時まで延長)。

その代わり、11時半~15時のランチ時間には「小浜水産」のノレンを掲げる。

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