「子どもの人権」を守るためにすべき4つのこと 小さな芽の段階でセンシティブになろう

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子どもの安全を守るために大切なことの3つめは「『もしも』に備えること」です。「私たちの活動は『よいこと』で、私たちの団体のスタッフは『よい人』だから、人権侵害など起こらないだろう」、というような空気感が団体内部にないでしょうか。しかし先ほども言ったように「もしも」はどこでも起こります。故意のものだけではなく、無意識のうちに人権侵害をしてしまうこともありえます。ですから「もしも」に備えるリスクマネジメント(未然防止・発生防止)やクライシスマネジメント(事後の悪化防止・再発防止)を団体全体として整備することが重要です。

そのためにまず必要なのは、相談窓口の設置です。日頃から子どもに「困ったことがあったら相談してね」と声をかけていたとしても、仮に「相談してね」と言っているその人から、なんらかの人権侵害を受けていたら、その人には言えないわけです。だから、きちんと子どもの安全を守るための相談窓口を設置することが必要です。

また大人による人権侵害を別の大人が発見したときに、発見者が忖度(そんたく)なく相談できるような窓口も必要です。活動のなかで、子どもへの暴力を目撃するということも当然ありえます。その際に、なかったことにしない。「今のは大丈夫かな」とか「これっておかしいかも」という感覚を放置しないで、しっかりと定められた相談窓口に報告することが重要です。

周囲の子どもたちもダメージを受けている

それから、どうしても後まわしになりがちなことは、当事者以外の子どもたちへのケアやサポート、説明です。事案発生後も何が起きたのか、どうしていくのかという説明も受けないままでは、結果として、周囲の子どもたちもなんらかのかたちでダメージを受けます。「もうこの件は終わったからね」と結論だけが伝えられても、子どもたちが腑に落ちていなければ、ずっと不安なまま、居場所で生活を続けていくことになります。そうしたことが結果として、大人への信頼感を奪っていきます。最悪の場合、事案によって居場所が閉鎖してしまったら、経緯を何も知らされなかった子どもたちは非常に大きな無力感を抱くことになります。

ですから、やはりリスクマネジメントやクライシスマネジメントに予防の観点から具体的に取り組み、ルールや方針を作っていくことがすごく重要です。子どもたちにしっかりと説明し、できることなら意見も聞き、子どもたちとともに再発防止に取り組んでください。大人には見えてない小さな事案を子どもたちは経験しているかもしれません。子どもとともに取り組むことで、子どもたちは、自分たちを守ろうとしてくれている大人がいること、そして自分たちの力をきちんと認識して、尊重してくれている大人がいることを学べます。それは彼らがダメージから回復するうえで、とても重要なことです。

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