新日石と新日鉱が人事制度をめぐり激しく対立--経営統合早々のJXグループに広がる暗雲
現行の新日鉱の業績連動制は、毎年年末の賞与支給時に1年間の暫定賞与額を決めておき、翌年春に決算が確定するのを待って、夏の賞与で増減を調整する仕組みになっている。
“悲劇”が起こったのは、昨年夏のことだった。
新日鉱ホールディングスの09年3月期の営業損益が▲1016億円、最終損益が▲407億円のいずれも大幅赤字に転落してしまったからだ。新日鉱経営陣の間では夏の賞与をゼロにするのはもちろん、一時は「年末支給した分から、一定額を返還させるべきだ」といった声も出たらしい。
「それではあんまり…」との判断からか、最終的には「夏の賞与9割カット」で決着したものの、管理職層は「軒並みパニック状態に陥った」(事情通)とされる。
新日石の管理職からすれば「そんなリスクの高い制度を押し付けられたのでは、たまったものではない」(関係者)といったところだろう。
国内ガソリン市場の低迷や新興国・中東産油国の攻勢など日本の石油元売り大手の前には難題が待ち構えている。首脳陣によれば、グループ名となったJXの「X」は「エネルギー・資源のX(=みらい)」を表しているという。
しかし国内ガソリン市場の低迷や新興国・中東産油国の攻勢に加えて社内対立が激化するなどJXの前には難題が山積されている。
(フリーライター:高橋正俊 =東洋経済HRオンライン 写真は、08年12月の経営統合に関する記者会見での西尾進路JX会長[当時新日石社長](左)と高萩光紀JX社長[当時新日鉱社長] 撮影:風間仁一郎)
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