ジャガー・ランドローバー「純EVじゃない」電動化 ランドローバーは燃料電池車に新たな道を探る
もちろん、それぞれのメーカーに独自のそうする理由がある。たとえばボルボは、豊富な水力資源によりCO2フリーなバッテリー生産が可能という北欧拠点のメリットがフルに生かせるのが大きい。ロールス・ロイスやベントレーについては、ロールス・ロイスのエンジニア氏の「私どもの顧客は中途半端を望みませんので」という言葉が、すべてを言い表していると言ってよさそうだ。
ではジャガーはといえば、ひとつには率直に言って、今のままではブランドの将来には黄信号が灯っているという現実がある。現在ラインナップにはセダンが3モデル、スポーツカーが1モデル、SUVが2モデルにEVが1モデルの計7モデルが揃うジャガーだが、グローバル販売は合計約15万台程度にとどまる。唯一、大きな伸びを見せているのがEVの「I-PACE」であり、それならばいっそ早いうちにEV専業に転換しようと考えるのは理解できる。
ランドローバーはEV以外の電動化パワートレインも
ジャガーは今後登場するすべての車両を、新たに開発するEV専用アーキテクチャーを土台に生み出していくという。実はフラッグシップである「XJ」は予定であれば真っ先にピュアEVモデルに生まれ変わり、そろそろ登場しているはずだったのだが、こちらはキャンセルになった。「今後のブランドの目指す方向性に合致しないため」という説明は正直言ってよく理解できないが、おそらくはボロレCEOの就任により、いま一度妥協のない商品開発が目指された結果の判断なのだろう。
一方のランドローバーは、EVそしてEV以外の電動化パワートレインの両方に対応するフレックスモジュラー縦置きアーキテクチャーと、内燃エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド、プラグインハイブリッド車に対応する電動モジュラーアーキテクチャーの2つを採用していくという。グループとしては、この3つのアーキテクチャーで全モデルを生み出していくことになる。
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