すでに始まった「大豆肉」を食べる衝撃的な生活

世界を席巻するインポッシブル・フーズとは

有害な化学調味料も入っておらず、栄養価もあります。そのため今アメリカではこの代替肉が大変人気で、インポッシブル・フーズ以外にも、ビヨンド・ミートという同業者も存在、ビヨンド・ミートはすでに上場済みで、時価総額は1兆円に迫る勢いです。

インポッシブル・フーズも時価総額約5000億円のユニコーン企業で、市場からの評価も高いです。

今後の動向としては、ほかの代替肉を展開していくでしょう。すでにインポッシブルポークは製造しており、とんかつのような商品も発表しています。この流れが進み、インポッシブルチキン、インポッシブルツナなども開発されていくと私は見ています。

インポッシブル・フーズの成長に伴い、精肉業界、牛や豚の生産者、漁業関係者の仕事は破壊されていきます。さらに言えば、食の流通を生業としている企業にも大きな影響を与えます。つまりインポッシブル・フーズが、これからの食業界全体の大革命の基点になるのです。

お肉や魚以外にも、インポッシブル・フーズのような動きがあります。ワインやウイスキーです。中でも私が注目しているのはGlyph(グリフ)というベンチャーです。ワインやウイスキーには熟成期間があり、長く寝かせることで味わい深くなっていきます。この熟成期間をテクノロジーの力で解決しようとチャレンジしています。

実際に私も飲んでみましたが、現時点ではあまりおいしくない、というのが正直な感想です。ただインポッシブル・フーズも出始めのころは、今ほどはおいしくはありませんでした。

とはいえ、グリフもインポッシブル・フーズのように、30年もののウイスキーをわずか30分で製造する。数年後には、そんな会社に化けているかもしれません。だからなのでしょう、サントリーが一時期グリフを買収しようとしていたといった動きもありました。

インポッシブル・フーズはテスラとも似ている

「既存のシステムに頼るな」という言葉があります。今あるシステムや常識が絶対に正しいわけではない。つねに疑う必要がある、との意味です。

この言葉を実践しているのが、インポッシブル・フーズです。これまでもベジタリアンフーズを製造している企業はありました。ただ、インポッシブル・フーズのような食感はありませんでした。多数のベジタリアンの目的は、肉を食べないことではなく、家畜を殺さないことなど環境への配慮ですから、大多数は我慢して食べていたわけです。

でも中にはもちろん、お肉のおいしさ、とくに食感を好む人だっているわけです。このまるで本物のお肉のような、これまでベジタリアンが我慢していた肉の食感を、インポッシブル・フーズの大豆肉は実現しました。まさしくゲームチェンジャー、これまでの常識を取っ払ったのです。

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